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エッジ環境向け最新サーバーOS「Turbolinux 11 Server」


Turbolinux 11 Server

事業推進本部長の森蔭政幸氏
 ターボリナックス株式会社は10月31日、エントリからミッドレンジサーバー市場に向けたLinuxサーバーOSの新版「Turbolinux 11 Server」を発表した。11月29日から販売を開始する。

 Turbolinux 11 Serverは、“Simple、Smart、Surprise”がコンセプトのLinuxサーバーOS製品。企業のエッジサーバーとして最適化されており、IAサーバーと組み合わせて汎用的なシステムを低価格で構築可能。インストールCDも1枚のみで、「ほんの10分ほどでインストールできる」(事業推進本部長の森蔭政幸氏)スムーズさも実現された。

 特長は、企業のフロントエンドで必要とされるWeb系機能やソリューションを標準で搭載するとともに、Web系パフォーマンスを従来の1.5倍強に向上した点。セキュリティ面では、NTTデータがオープンソースとして公開している「TOMOYO Linux」を採用。これは、Linuxカーネルにセキュリティ強化機能を付与するためのパッチおよびツール群のことで、“学習モード”で試験運用するだけでプログラムの起動履歴、ファイルへのアクセス履歴を収集し、自動的に最適なセキュリティポリシーを定義してくれる。

 森蔭氏は、「これに代わるモジュールとしてSELinuxがあるが、設定が難しく、エッジサーバー向けとしては少々敷居が高かった」と、TOMOYO Linux採用の理由を説明した上で、今後はNTTデータと共同でセミナーなどもを開催していく意向も見せた。

 PHP環境としては、米ZendのPHP関連製品を採用。データベースへ接続するためのドライバ、PHPを管理するためのGUIなどをパッケージ化した「Zend Core」と開発フレームワークの「同 Framework」、ならびにPHPコード最適化ツールの「同 Optimizer」が搭載されている。また、Webシステムで求められる負荷分散を実現するため、ソフトウェアロードバランサの「Cluster LoadBalancer」も標準搭載した。

 そのほか、新プロセススケジューラ「CFS(Completely Fair Scheduler)」の採用、新メモリ管理の「SLUBアロケータ」への移行をはじめ、さまざまな主要コンポーネントが機能強化されている。

 価格は、5年間の無償メンテナンスアップデートサービス付きの永久ライセンスが、4万7000円の予定。他社サーバー製品に多いサブスクリプション形態と比べ、「当社は終始一貫、永久ライセンスでの提供を行っている。5年間も使い続ければTCOの差は歴然だ」(森蔭氏)とアピール。併せてサポート期間の長さにも触れ、「5年無償サポート後は、有償でさらに5年間、合計10年間のサポート提供を保証する。さらにインストールサポートや技術サポートなども別途提供する予定」とした。なお、CPUソケット数や接続ユーザー数の制限はない。


Zend製品を標準搭載 NTTデータのTOMOYO Linuxを採用 ソフトロードバランサを標準搭載

主要コンポーネントの強化-プロセスに公平にCPUリソースを割り当てるCFS採用など 主要コンポーネントの強化-kexec+kdump追加など 主要コンポーネントの強化-KVM採用など

代表取締役社長兼CEOの矢野広一氏
 機能面以外では、10月23日に発表された米Microsoftとの協業が大きなトピックとして挙げられる。この協業により、「Linuxは当社の特許を侵害している」と主張するMicrosoftは、Turbolinuxに関しては特許の使用を認める形となる。

 代表取締役社長兼CEOの矢野広一氏は、「Linux採用に足踏みする理由として特許権の問題が挙げられることは、以前より少なくなっているとはいえ、いまだ何一つとして解決していない問題である。Linuxを広く活用してもらうためには、日本が先頭を切ってこの問題に取り組まなければならない」と指摘。その上で、「実際にLinuxが(特許の侵害において)黒なのか、白なのか、グレーなのかは関係ないし、当社の関与するところではない。が、ともかくTurbolinuxを利用すれば、知的財産権に関してややこしい裁判ざたにはならないということを、当社がアジア全域に対して保証できるようになることが重要」と述べた。

 併せて、Active Directory下でのWindows・Turbolinux双方のシングルサインオン実現もめざす。このために研究・開発体制も共同で整えていく方針。さらに次期デスクトップ版Turbolinuxでは、検索エンジンに「Live Search」が採用される。それ以外にもMicrosoftが魅力的なソリューションを提供開始した際には、自由にTurbolinuxに取り入れることが可能。矢野氏は、「対立すればお互いにリスクの大きい当社とMicrosoftが手を取って、お互いのソリューションを高め合う位置に立ったことは、ユーザーにとって大きな安心感となるはず」と語った。



URL
  ターボリナックス株式会社
  http://www.turbolinux.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.turbolinux.co.jp/cgi-bin/newsrelease/index.cgi?date2=20070931162158&mode=syosai

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( 川島 弘之 )
2007/10/31 18:49

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