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富士通、完全同期のDB二重化システムを実現する「Symfoware」新製品

2台目を情報系DBとして有効に活用

ソフトウェア事業本部 データマネジメント・ミドルウェア事業部 プロジェクト部長の山口正人氏

完全に独立した2つのDBシステムを実現する
 富士通株式会社は11月1日、データベース(DB)製品「Symfoware」のラインアップを強化すると発表した。信頼性の高い二重化システムを実現する「Symfoware Server Mirroring Controller V9(以下、SSMC V9)」を新規に投入する。同日より販売開始で、ライセンス価格は300万円(税別)/プロセッサ。

 SSMC V9は、独自の「データミラーリング技術」により、DB同期を実現する製品。構成としては、2組のサーバー、DB、ストレージで物理的に独立した2つのDBシステムを構築。この間でリアルタイムにデータの同期を行う形となる。

 ストレージにREC(Remote Equvalent Copy)機能をサポートした「ETERNUS 4000」または「ETERNUS 8000」を活用し、ETERNUSのコピー機能を使うことで、サーバーにかかる負荷を低減。実際にCPU負荷を約20%から6%まで抑えることができたとしている。

 最大の特徴は、完全に独立した2系統のシステムを構築することで、1台目のサーバーでオンライン業務を実行しながら、2台目のミラーサーバーを情報系DBとして活用できる点。「例えば、問い合わせ対応や履歴参照などの業務をミラーサーバーに割り当てることで、更新系業務との分割が可能。オンライン業務と並行して、ミラーサーバーで大量の集計処理などを行うことができるようになる。また、DB保守もミラーサーバーに対して行うことで、極端な話、オンライン業務が走っている昼間でも保守を行うことが可能になる」(ソフトウェア事業本部 データマネジメント・ミドルウェア事業部 プロジェクト部長の山口正人氏)。

 これを実現する技術が、「高速論理ログ作成機能」だ。一般的なデータ同期では物理ログをミラーサーバーに伝えるため、DB物理構造としては同じである必要がある。一方、論理ログによるデータ反映方法では、レコードを特定する情報をログ内に保持して同期を行うため、DB内の物理構造が異なっていてもかまわないという。「論理ログ形式で同期を行う製品はほかにもあるが、論理ログをリアルタイムに同期できる製品はSSMC V9のみ」(山口氏)とのこと。

 冗長化構成にする以上、主目的となるのは1台のサーバーに異常が発生した場合の切り替え機能。SSMC V9では、ミラーサーバーを情報系DBとして利用可能であるにもかかわらず、約1秒という高速切り替えが可能としている。それだけではなく、完全に独立した2つのシステム構成となっているので、故障発生時の対処としては、故障側を単純に切り離すだけでよく、切り離した段階で、自動的にもう一方のシステムが業務を継続してくれる。切り離したサーバーを再組み込みする際には、「ログ補正機能」により、自動的にログの終了点を一致させることが可能なので、あらためてデータの再編成を行うことなく、自動的にデータの同期を再開させることが可能とのこと。

 同製品では、従来業務システムとは別に必要であった情報系サーバーが不要となる。富士通では、ユーザーのシステム投資を効率化するとともに、業務を確実に継続させるDBシステムを実現するとしており、2年後300プロセッサライセンス、3年後6000プロセッサライセンスの販売を見込んでいる。


ミラーサーバーを社内業務で使う情報系DBとして活用可能 高速な論理ログ作成 単純に故障機を切り離すだけで、システムの切り替えが行われる


URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  プレスリリース
  http://pr.fujitsu.com/jp/news/2007/11/1-2.html


( 川島 弘之 )
2007/11/01 14:50

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