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PowerCenterおよびPowerExchangeの特長
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PowerCenterのデータリネージ管理機能。Oracle DBに格納されるまでの処理の流れを詳しく表示することができる
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インフォマティカ・ジャパン株式会社は11月5日、企業内データ統合ソリューションの最新版「Informatica Release 8.5」を発表。Informatica 8.5を構成するデータ統合エンジン「PowerCenter 8.5」およびデータアクセス製品「PowerExchange 8.5」の販売を開始する。出荷開始は12月25日。
Informatica Release 8.5は、同社が提唱するICC(インテグレーション・コンピテンシー・センター)をリアルタイムで実現する製品。ICCは、データ統合に関わる企業内スタッフのすべての知識を集めることで、プロジェクト全体を効率化させるという手法。特にメタデータ管理という考え方により情報を再利用するという点が特長で、これまでさまざまな部門で展開されていたプロジェクトを一元管理することが可能としている。
PowerCenterは、企業内のあらゆるシステムに格納されているデータをさまざまな形式に変換して出力するデータ統合エンジン。一方のPowerExchangeは、企業内のあらゆるシステムに格納されているデータへのアクセスを実現するデータアクセス製品。両製品を組み合わせることで、企業内のさまざまなシステムからのデータ移行、連動、アプリケーションインスタンスの統合、複数業務システム間でのデータ同期化などを実現できる。
最新版のPowerCenter 8.5では、PowerExchangeやメッセージング、Webサービスなどのリアルタイムデータを遅延なく変換処理するリアルタイム機能を強化している。また、データリネージ(系統図)管理機能や影響分析機能、コラボレーション機能なども強化されており、データの可視性が高められている。そのほか、プライベートな情報から個人情報の識別を不可能にするデータマスキングオプションを用意。これにより、開発者やテスト担当者が実データを安全に操作することができるようになった。
PowerExchange 8.5でもリアルタイム機能を強化。リアルタイムCDC(Change Data Caputure)により、変更の都度差分情報を抽出する機能の連続処理を実現。これにより、データソースに対して、リアルタイムなアクセスが可能となっている。
価格は構成により異なるが、PowerCenterが最小構成時で1170万円より、PowerExchangeが1000万円程度より。
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米Informatica上席副社長兼データ・インテグレーション事業ゼネラル・マネージャーのギリッシュ・パンチャ氏
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代表取締役社長の内田雅彦氏
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米Informatica上席副社長兼データ・インテグレーション事業ゼネラル・マネージャーのギリッシュ・パンチャ氏は、「DWH(データウェアハウス)ベンダーからスタートしたInformaticaだが、データ統合能力が認められてマイグレーションやデータの同期化、コンソリデーションといった利用も増大している。採用企業も順調に伸びており、米国以外の市場でもビジネスが成長している」と、データ統合用途での利用が急速に進んでいると紹介。その中でも、日本市場は重視していると強調。「英語版出荷の60日以内に日本語版を投入したり、日本市場でのニーズの高いアダプタを開発するなど、日本市場のニーズに応じた対応をしている」と述べた。
インフォマティカ・ジャパン代表取締役社長の内田雅彦氏は、「これまではDWH構築のためのETLツールとしての導入が中心だったが、現在は基幹システムの統合再編等での利用が増えている。それに伴い、金融サービス業だけでなく、製造業・流通業・通信業界など利用範囲が拡大している。今後、基幹業務データの統合などハイエンド案件に注力していきたい」と説明。また、ICCの認知度を高めるために、ICCフォーラム(仮称)を設立することも発表。「本来であればユーザー会の一分科会として設立するのがいいのかもしれないが、ICCへの理解を高めるために独立したフォーラムを設立する予定。来年4月の設立を目指す」と、国内での認知度向上を積極的に進める考えを示した。
■ URL
インフォマティカ・ジャパン株式会社
http://www.informatica.com/jp/
ニュースリリース
http://www.informatica.jp/news/press_releases/1105_032007.htm
( 福浦 一広 )
2007/11/05 16:29
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