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トライピークスの戸井田穰社長
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TP InstantBootのこれまでのリリース状況
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TP InstantBoot x86の動作概要
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トライピークス株式会社は11月6日、組み込みLinux搭載製品向け起動時間短縮ソリューション「TP InstantBoot Version 1.0」のx86アーキテクチャ対応版として、「TP InstantBoot Version 1.0 for x86 architecture」(以下、TP InstantBoot x86)を発表した。
新製品の発表に先立ち、戸井田穰社長は同社の事業概要について「当社では、組み込みソフトウェアの開発・製造・販売を中心に、Linuxのデザインまで含めたSI事業のプロフェッショナルサービス、そしてコンサルティングを含めたトレーニングサービスを事業の柱としている。事業コンセプトとしては、単にディストリビューションや機能を売るのではなく、組み込みLinux製品に利便性を感じてもらうためのソフトウェア、サービスの提供を目指している」と述べた。
今回発表した新製品、TP InstantBoot x86は、こうした独自コンセプトでLinux事業を展開する同社の主力製品と位置づけられるもの。すでに、2006年5月にMIPS版を発売し、デジタルテレビなどに導入実績をもつが、今回、特にx86アーキテクチャ向けに最適化および機能強化を図った新バージョンを投入する。
TP InstantBootの特徴は、Linuxカーネルやアプリケーションに修正をほとんど加えることなく、システムのメモリ状態やCPUのレジスタ状態をスナップショットイメージとして保存。組み込みLinux機器の電源投入時に、保存したスナップショットからシステムを復元することで、Linuxカーネルやアプリケーションのロードおよび初期化時間を短くし、システム全体における起動時間の大幅な短縮を実現する。
新製品のTP InstantBoot x86では、こうした基本機能はそのままに、x86アーキテクチャ上でより高速な起動を可能にしている。同社計測環境によると、標準的なLinuxディストリビューションのブートローダからX-Windowまでの起動時間が約180秒かかるのに対して、TP InstantBoot x86を使用することで、この起動時間を約15秒まで短縮することができたという。
また、大容量メモリサイズに対応。ほかのアーキテクチャより搭載メモリ容量が多いx86アーキテクチャでは、コンパクトフラッシュやHDDなどのディスクストレージにスナップショットイメージを直接保存することが可能となった。このほか、スナップショットイメージの復元に幅広く利用されているブートローダGRUBをサポート。ボード固有の差異に依存しない高い汎用性を提供する。
販売価格は、ベースプロジェクトライセンスが248万円。追加プロジェクトライセンスが60万円。同社では、医療機関、POS、FA機器、計測機器、キオスク端末などの市場をターゲットに、x86アーキテクチャ上でLinux搭載の組み込みシステムを開発している企業に向けて新製品を拡販展開していく考え。年間で20プロジェクト(開発ライセンス)の販売を目標としており、5000万円の売り上げを見込む。
■ URL
トライピークス株式会社
http://www.tripeaks.co.jp/
プレスリリース
http://www.tripeaks.co.jp/p_news/news2007_press491-012.html
( 唐沢 正和 )
2007/11/06 17:22
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