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NEC、映像ソリューションを体系化-「NGNや地デジで“映像”は興隆の時代へ」


執行役員の伊藤彰氏

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全業種向けソリューションの概要
 日本電気株式会社(以下、NEC)は11月16日、放送事業者・通信キャリア向けに提供してきた映像ソリューションを、より広範な市場に対応するよう体系化すると発表した。それに伴い、2種類の新ソリューションを追加するとともに、映像データ圧縮装置とビデオサーバーを製品化し、同日から提供を開始する。

 執行役員の伊藤彰氏によれば、「ITとネットワークを統合し“映像”をキーとしたソリューションを提供することで、新たなビジネスアプリケーションを支えるサービスプラットフォームを構築する」のが、NECの映像ソリューションの位置づけという。そのためには、IT、通信、放送・映像、端末など単なる製品売りではなく、オールインワンでソリューション提供が必要だが、「これらのノウハウがすべてそろっているのが当社の強み」(同氏)とアピール。BIGLOBEで得たASPサービスの知見なども含めて、トータルにソリューション提供を行っていく。

 体系化の目的は、「放送事業者」「通信キャリア」「官公庁」「映画事業者」「全業種」の5つをターゲット市場として分類すること。以前までコンテンツごとに散在していた製品・サービスをまとめ上げることで、NGNや地上波デジタル放送など通信環境の変化に伴い、新しく生まれてくるニーズに幅広く対応していく方針である。

 特に、全業種向けに2種類の新ソリューションを投入し、さらなる市場の開拓を図っていく。新しく投入されたソリューションは、「デジタルサイネージソリューション」と「技術継承映像ソリューション」。

 デジタルサイネージソリューションでは、広告配信・表示システムに広告価値測定システムを組み合わせることで、これまでにないような広告効果測定を実現するという。具体的には、広告配信システムにより、媒体ごとの複雑な広告配信条件の設定と管理を実現。その上で、「顔認識センシング技術(Field Analyst)」とよばれる技術で広告の効果測定を行う。

 例えば、街中に設置された屋外広告では、多くの人が前を通り過ぎたり、時には立ち止まって眺めたりする。Field Analystでは、屋外広告に併設されたカメラ映像から、広告を見ている人の性別や年齢などを識別し、14パターンに分類することが可能。どのユーザー層が高い関心を示したかが詳細に把握できるため、以降のマーケティング方針なども明確になるとしている。価格は200万円(税別)から。

 技術継承映像ソリューションは、熟練技術者の技能継承促進のために、ストリーミングを有効利用しようというもの。製造業などにおいて現場の作業様子を撮影し、文字・図形・写真・音声などを付加。できあがったコンテンツをストリーミング配信することで、現場に蓄積された技術・技能を「見える化」し後世に継承していくことが可能になる。価格は、98万円(税別)から。


 今回はさらに、これらのソリューションを支える新製品として、H.264コーデック「VC/VD-7300」とビデオサーバー「RS-1000 Armadia」が発表された。

 VC/VD-7300では、映像圧縮方式として「H.264 MPEG-4/AVC」を採用したほか、NEC独自の「2PASS符号化技術」や「特定色適応符号化アルゴリズム」などを実装することで、圧縮前の元素材に限りなく近い超高画質を実現しているという。価格は、エンコーダのVC-7000が980万円(税別)から、デコーダのVD-7300が400万円(同)から。

 一方のRS-1000 Armadiaでは、記憶媒体にフラッシュメモリを採用しRAID構成としたことで、高速処理や高い信頼性を実現したほか、最大16以上のビデオ入出力ポートを搭載。併せて、電源・ファンなどをホットスワップ可能とすることで高い保守性を実現した。価格は、個別見積もり。

 「ネットワーク・IT環境がともに変革するにつれ、映像コンテンツを核としたビジネスサービスが興隆の時代へと向かっており、すでに国内・海外含めて多くの事例が出てきている。今後さらなる成長が期待され、2009年度までの3年間にソリューション全体で1200億円の売り上げを見込んでいる」(伊藤氏)とのことだ。


VC/VD-7300 RS-1000 Armadia


URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0711/1607.html


( 川島 弘之 )
2007/11/16 15:32

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