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ジャストシステム、使いやすさに磨きをかけた「JUST Suite 2008」

情報、アプリ、人をつなげる新製品も同梱

ジャストシステムのオフィス新製品群
 ジャストシステム株式会社は12月11日、オフィス製品スイートの新版「JUST Suite 2008」を発表した。スイートの新版「JUST Suite 2008」を発表した。

 JUST Suite 2008は、ワードプロセッサ「一太郎2008」、表計算ソフト「三四郎2008」、プレゼンテーションソフト「Agree 2008」をはじめとするオフィスソフトをパッケージ化した製品。このほか、グラフィックソフト「花子2008」、日本語入力システム「ATOK 2008」、メールソフト「Shuriken 2008」、PDF作成・編集ツール「JUST PDF[作成・編集]」、ならびに新製品の「Suite Navi」が同梱されている。Suite Navi以外は単体販売も予定されており、発売時期は同じく2008年2月8日。

 JUST Suiteビジネスオーナーの大野統乙氏は「“つながるSuite”というのが、今回のコンセプト」と説明。何らかのファイルを作成する際、「まず人は情報を検索して、“情報とつながる”。実際に作成する際には、さまざまなソフトを連携させて活用する。これが“アプリケーションのつながり”。最後にできあがった文書を誰かと共有することで、“人とのつながり”が発生する。新版では、この3つのつながりを容易にするため、使いやすさに磨きをかけるために大きな工夫が凝らされている」と語った。その工夫こそが、今回最大の特徴ともいえる、Suite Naviである。


JUST Suiteビジネスオーナーの大野統乙氏 情報、アプリ、人がつながるSuite、これが今回のコンセプト。実現するのが、新製品のSuite Navi

Suite Navi-文書作成のプラットフォームとなる新製品

 Suite Naviをひと言でいうと、「Windows Explorerにビューワが一体化したもの」(大野氏)。フォルダ内のデータをファイル形式でソートしたり、キーワード検索、Web検索したりすることも可能。RSSリーダーの機能も備える。選択したファイルはリアルタイムにビューワに表示されるため、必要なファイルを見つけ出すための時間短縮にもなる。

 さらに、選択したファイル形式に対応したアプリケーションをワンクリックで起動できる。例えば、一太郎文書をWordやAgreeで開いて編集することが可能。ビューワ部分をテキストエディタとして利用することもできるので、Suite Naviでテキスト作成して、一太郎やAgreeで見栄えの良い文書にスムーズに仕上げるといったことも可能だ。

 作成したファイルは、PDF形式やMicrosoft Office形式で一括変換し、そのままメールで送信することも可能。複数のファイルをまとめてZIP圧縮したり、文書の印刷をしたりと、文書検索、作成、共有に関する操作が一括して行える“文書作成のプラットフォーム”となる製品である。


Suite Naviの画面。左にツリー形式のフォルダリストが、右にビューワが配置されている 複雑にレイアウトされた文書もビューが可能 ビューワ部分はテキストエディタとして利用することも可能。既存ファイルをテキスト表示したり、新規にテキストを作成することもできる

多彩な検索機能を備える。これはファイル形式でソートしている様子 キーワード検索の画面。このほか、Google、Yahoo!、gooなどのWeb検索も可能 RSSリーダーの機能も搭載

選択したファイルを画面左下のプログラム起動ボタンから開くことが可能。アプリケーション間の互換性も向上している 一太郎形式のファイルをAgreeで開けば、段落ごとに自動でスライド化される 画面右下にはさまざまなアクションボタンを配置。印刷、PDF変換、ZIP圧縮などが行える。これはメール送信時に可能なアクションを表示している様子

ATOK 2008-変換中に欲しい情報をダイレクトにキャッチ

次候補連続変換
 日本語入力システムのATOK 2008では、変換エンジン「ATOKハイブリッドコア」がより強力になり、変換精度が大幅に向上した。具体的には、文節の区切り位置を正確にとらえることで、よりスムーズな日本語入力を実現している。変換例としては、「知覚し/冗長さを/行う」と変換されてしまっていたのを、正しく「近く/市場/調査を/行う」と変換できるようになったと紹介した。

 また、細かい入力支援機能も追加されており、並列で使うことの多い数詞や助数詞について、選択した候補に合わせて後続の文節も連動させることが可能になった。「次候補連続変換」というもので、例えば、「1わ、2わ、3わ」と入力して、「1」のみ全角・半角変換すると、「2」と「3」も連動して変換。さらに最初の「わ」のみを、「話」や「羽」に変換すると、2つ目3つ目の「わ」も連動して変換される。そのほか、間違って入力確定してしまった場合に、再び未確定状態に戻す「確定アンドゥ」機能も強化されている。

 校正支援では、例えば「(誤)アフェリエイト」を「(正)アフィリエイト」へ、「(誤)人間ドッグ」を「(正)人間ドック」など、間違いやすいカタカナ語を修正する機能強化がなされた。


ATOKハイブリッドコアが進化、文節区切りがより正確に 一般モードで話し言葉の変換も行えるようになった 変換辞書の語彙(ごい)拡充

 さらに特徴的なのが、ATOKとWebサイトが連携する「ATOKダイレクト」機能だ。2008年2月8日には、「goo」「はてな」「乗換案内」向けのモジュールが提供される。これらを使うと、ATOK 2008で単語を入力・変換したタイミングで、各Webサイトが提供するデータを取得し、その内容を候補ウインドウや解説ウインドウに表示することが可能になる。さらに詳しい情報が欲しい場合は、そのままATOKからWebページへ飛べるので、ATOKがそのまま情報収集のツールへと進化させることが可能だ。上記3つのWebサービス以外に、今後は変換した単語を「Yahoo! JAPAN」で検索するモジュールも提供する予定という。


広辞苑と連携 はてなとの連携。@はてなと入力して変換するとはてな頻出キーワードがリストされる 乗換案内との連携。駅名を区間で入力すると、金額など詳細情報が表示される

gooとの連携。入力したキーワードをgoo検索エンジンで検索 検索されたWebページへダイレクトにジャンプ Yahoo! JAPANとの連携も予定

より美しい日本語文書が作成可能な一太郎2008

 ワードプロセッサの一太郎2008では、より正確な日本語文書の作成のために添削機能と校正機能が強化されたほか、Windows Vistaに搭載されているMSフォントやOpenTypeフォントの異体字の入力・表示に対応。併せて、ふりがな機能をさらに強化し、カタカナな数字、アルファベットもふりがなの対象にできるようになった。

 またWebとの連携も強化され、Internet Explorer上で範囲選択したデータを、右クリックメニューから簡単に一太郎文書に取り込めるようになっている。テキストや画像をそのまま取り込むことが可能だ。ツールボックスのヘルプ検索窓からは、Google、Yahoo! JAPAN、gooによるWeb検索も行える。

 互換性に関しては、Wordと一太郎でより高精度にファイルを互換させることができるようになった。もちろん、Word 2007の「.docx」形式にも対応した。


OpenTypeフォントへの対応 添削機能を搭載。添削コメントに任意のメモを残すこともできる

Agree 2008、三四郎2008、花子2008でもユニークな新機能

 プレゼンテーションソフトのAgree 2008では、相手の興味を喚起するプレゼン機能が追加された。スライドの一部を付箋のような図形で隠し、クリックするごとに文字が表示される「めくり機能」、大きめのマウスポインタ機能、スライドの一部に光を当てて強調したい個所を指し示す「スポットライト機能」などが搭載されている。

 表計算ソフトの三四郎2008では、ワークシート上にデータベースを作成する際、入力しやすいカード型の画面を表示させて、1レコードずつ編集できる機能が新たに搭載された。カード画面上で、レコードの編集・検索・ソート・絞り込み・追加入力が行えるため、項目が多い表での効率的な情報管理が実現する。Excel 2007の「.xlsx」もサポートしている。

 グラフィックソフトの花子2008では、文字入力ウインドウの操作性を向上。フリーカーソルのように、画面上の好きな個所に文字入力できる「オートマーカー機能を」実装することで、効率的なレイアウト編集を可能にした。ドロップシャドウなど美しい表現を実現する「図形効果」機能も搭載している。


めくり機能と大きなマウスポインタ スポットライト機能-光の当たっている個所を拡大できる カード型編集機能

Shuriken 2008-ダブルディフェンス機能でスパム検知精度を向上

 メールソフトのShuriken 2008では、「フォルダウォッチ機能」を搭載。これは画面右端に複数フォルダのメール一覧を表示する機能。フォルダ選択することなく、各フォルダに振り分けられたメールをチェックすることが可能になる。

 さらに学習型迷惑メールフィルタをさらに強化した「迷惑メールフィルタ・ダブルディフェンス」を新開発。あらかじめ多種多様な迷惑メールを学習させた「マスターフィルタ」と、「学習型メールフィルタ」による二重検知が可能になった。これにより、高い学習効率を維持したまま、初期精度が向上するという。

 価格は、JUST Suite 2008通常版が2万5000円(税別)、同特別優待版が1万8000円(同)、同バージョンアップ版が1万5000円(同)。単体価格としては、一太郎2008が2万円(同)、Agree 2008が7800円(同)、三四郎2008が5000円(同)など。



URL
  株式会社ジャストシステム
  http://www.justsystems.com/jp/
  ニュースリリース
  http://www.justsystems.com/jp/news/2007l/news/j12111.html


( 川島 弘之 )
2007/12/11 19:50

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