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日本HP、運用管理プロセスの自動化ソリューションを発表

Opsware買収でITオートメーションに本格参入

IT運用管理を包括的に自動化する新コンセプト「HP Automated Operations」

HP Business Service Automation

HPソフトウェア事業本部 マーケティング部 ビジネス開発担当の星野敏彦氏
 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は1月21日、HPソフトウェア事業のIT運用管理分野において、運用管理プロセスの自動化を実現する新ソリューション「Business Service Automation(以下、BSA)」を発表した。

 BSAは、2007年に買収したOpsware製品を軸としたIT運用管理の自動化ソリューション。日本HPではこれまでIT運用管理の分野において、ITの成果をビジネスの視点で測定しその整合性を実現する「ビジネスサービス管理(BSM)」と、ITILに基づきサービスデスクや変更要求などのプロセスを管理する「ITサービス管理(ITSM)」といったソリューションを提供してきた。これらにBSAを追加することで、IT運用管理を包括的に自動化する新コンセプト「HP Automated Operations」としてソリューション体系の刷新を行う。

 BSAは、クライアントからアプリケーション、物理・仮想サーバー、ネットワークなどIT全体の運用管理を自動化することで、作業工数や設定ミスによるリスクを削減可能にするソリューションの総称である。

 その構成としては、ネットワークやサーバー、ストレージなどの変更管理およびプロビジョニングを実現する「HP Operations Orchestration」「HP Server Automation」「HP Network Automation」「HP Service Automation Report」、クライアントやシンクライアントの設定管理を行う「HP Client Automation」などの製品が提供される。

 この内、ソリューションの中核となるのがHP Operations Orchestrationだ。インフラ全体を包括的に自動化するツールで、既存の監視システム(BSM)、トラブルチケット、サービスデスク(ISTM)などと連携することによって、警告やインシデントへの対応を含めIT運用の業務プロセスを、ワークフローとして制御・自動化することが可能になる。

 「このワークフローというのが大きなポイント。例えば、サーバーの運用管理を自動化したいというニーズをよく聞くが、それだけでなくネットワーク、ストレージ、さらにはBSMやITSM、他社製品など外部システムも含めて、包括的に運用管理を自動化したいというニーズも多い。HP Operations Orchestrationを利用すると、こうした多様なシステムを包括的に連携させ、ワークフロー化することが可能になる。これにより、一部を手作業で行わなくてはならなかった運用管理の作業を、完全自動化することが可能になる」(HPソフトウェア事業本部 マーケティング部 ビジネス開発担当の星野敏彦氏)。


HP Server Automationの特長 HP Network Automationの特長 HP Client Automationの特長

HPソフトウェア事業本部長の西澤均氏

日本でのBSAビジネス展開
 日本HPでは、今回のBSAソリューションをHPソフトウェア事業の注力ソリューションとして展開していく方針だ。同事業本部長の西澤均氏は、「2007年に発表したOpswareの買収も2008年2月1日に完了する見込み。そこで製品・組織・サポートいずれにおいても、他製品と変わらない体制が整うことになり、日本HPによるITオートメーション市場への本格的な参入がスタートすることになる。本来、Opsware製品はサービスプロバイダ向けに提供開始された製品だが、昨今では、500台以上のサーバーを抱えるような大企業を中心に一般企業からのニーズも急増している。対する当社の方策としては、BSAソリューションの専任営業部署を設立し、ITインフラビジネスのAdaptive Infrastructureなどとも積極的に連携していくことで、今後、HPソフトウェア事業を大きく伸長させるビジネスになると期待している」と述べた。

 価格は、HP Operations Orchestrationが1262万4150円から、HP Server Automationが844万9350円から、HP Network Automationが69万6150円から、HP Service Automation Reportが1262万4150円から、HP Client Automationが13万2300円から。これらを一括してBSAだが、必要に応じて製品単体で購入することもできる。なお、提供開始時期は、HP Client Automationのみ3月1日で、それ以外はすべて2月1日を予定する。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/
  ニュースリリース
  http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2008/fy08-038.html

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  ・ 米HPがOpswareを買収、ソフトウェア事業を強化(2007/07/24)


( 川島 弘之 )
2008/01/21 17:19

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