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トリップワイヤ、IT全般統制にも活用可能な変更管理ソリューション新版


 トリップワイヤ・ジャパン株式会社(以下、トリップワイヤ)は1月23日、変更管理ソリューションの最新版「Tripwire Enterprise 7 日本語版」を発表した。同製品では、ITシステム全般における変更をコントロールし、セキュリティ強化、可用性向上、コンプライアンスの証明といったITの全般統制を実現できる。


企業が競争力を維持するためには、変化が必要

米Tripwire マーケティング担当副社長のマーク・ゲイドス氏
 Tripwire Enterprise 7は、マルチベンダー環境にあるさまざまなサーバー、ネットワーク機器、ディレクトリサービス、データベースに加えられる変更を一元的に管理し、適正な状態を維持するようコントロールする変更管理ソリューション。単純に変更を検知して通知する一般の変更監視ツールとは異なり、その変更が適正に行われているかどうかを評価し、問題がある場合には何らかのアクションを実行することができる。

 「企業は競争力を維持するために、継続的な変化が必要。そのため、ITの変更も余儀なくされている。Tripwire Enterprise 7はIT全般の変更をコントロールすることでコンプライアンスの証明、セキュリティ、可用性という3つの価値を提供している」と語るのは、米Tripwire マーケティング担当副社長のマーク・ゲイドス氏。

 さらにゲイドス氏は、Tripwire Enterpriseはワールドワイドで6000社を超える顧客をすでに獲得しており、Tripwireがこの分野のリーディングカンパニーであることを強調。「Tripwire Enterpriseを導入した顧客の約30%は、新たに追加ライセンスを購入している。これは、ユーザーへ確かな価値を提供できていることの証明といえるだろう」と述べた。


IT全般統制に不可欠な変更管理

トリップワイヤの代表取締役社長、杉山富次郎氏
 ゲイドス氏がアピールした、Tripwire Enterpriseが提供する3つの価値はそのまま、現在ITシステムを抱える多くの企業の課題にもあてはまる。ITへの依存度が高い現在のビジネス環境においては、セキュリティ強化や可用性向上への要求は日々高まっている。また、日本でも日本版SOX法の施行が目前に迫り、コンプライアンス順守も証明しなければならない。そのためIT全般統制に向け、変更コントロールの仕組みを導入した、あるいは導入を検討している企業が増えているという。

 トリップワイヤの代表取締役社長、杉山富次郎氏は、システム障害の80%が人為的またはプロセスの問題で発生するという調査の結果を紹介。続けて、「変更は検知するだけではなく、変更の内容を評価することで、はじめてITの全般統制が可能になる」と語った。さらに同氏は、いまだに多くの企業ではIT全般統制にまで手が回っていないのが現状と訴え、「多くの企業ではまだまだ、日本版SOX法に向けてドキュメントの管理やビジネスプロセスの変更などを行っているが、ビジネスプロセスが変更されれば、ITにも変更が必要になる」と述べた。

 現在、日本国内のTripwire Enterpriseユーザーの多くは、金融、官公庁、テレコムといった分野の企業であるという。しかし、杉山氏は「ITインフラがビジネスの勝敗を決める時代になったと理解している。今後は内部統制フローが確立されていない企業は取引ができなくなるようなこともおきるのではないか」と述べ、今年からは製造や流通といった分野でも市場を拡大し、ビジネス規模を3倍にすることを目的とするとした。


Tripwire Enterprise 7の特長

Tripwire Enterpriseの画面イメージ

Tripwire Enterpriseの構成
 変更の検知機能としては、これまでのスケジュールベースの変更検知に加えて、リアルタイムでの検知が可能となっている。またTripwire Enterpriseでは、初期状態のデータをベースラインとして記録し、そのベースラインと比較することで変更を検知するため、その検知した変更情報を保存しておくことで、「誰が、いつ、何を、どのようにしたか」といった履歴情報を残すことができる。

 Tripwire Enterpriseの特長である変更の評価機能には、システムのさまざまな設定内容を事前に規定したポリシーで自動的に評価するコンフィグレーションの監査機能、および自動リカバリを実行する機能が追加されている。また、変更を検知した際に実行するアクションの機能についても、実行条件による分岐を可能にするなど柔軟なアクションを設定できる。

 そのほか、バックエンドデータベースとしてOracle Databaseを指定できるようになったことや、標準ではサポート対象外のデバイスも監視可能なようにカスタマイズを行える「ユニバーサルデバイスキット」の提供など、Tripwire Enterprise 7には、さまざまな機能追加や機能強化が施されている。

 また新たにTripwire Enterprise 7では、VMwareおよびSolarisの仮想環境で稼動しているシステムでも変更をコントロールすることが可能となっている。なお、ゲイドス氏は「2月ごろにVMwareとの連携について、何らかの発表ができるだろう」と述べ、仮想環境での変更管理ついて、協業の準備があることを明らかにした。

 国内でのTripwire Enterprise 7の受注は1月23日に開始され、出荷開始は2月1日を予定している。価格は、中核となる「Tripwire Enterprise/Server」が194万2500円。また、ファイルサーバー向けコンポーネント「同/FS」が20万7900円、データベース向け「同/DB」」が29万1900円、ディレクトリサーバー向け「同/DS」が47万400円、ネットワーク機器向け「同/ND」が6万480円、などとなっている。



URL
  トリップワイヤ・ジャパン株式会社
  http://www.tripwire.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.tripwire.co.jp/press/press_release/2008/080123b.html


( 北原 静香 )
2008/01/23 18:15

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