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コグノス、PMソリューションの最新版を発表

広範囲なユーザーへの情報提供と管理機能を大幅強化

コグノス本社 ビジネス・インテリジェンス担当副社長兼ゼネラルマネージャーのエリック・ヤウ氏

真に統合されたCognos 8 v3のプラットフォーム
 コグノス株式会社は1月31日、同社の主力製品であるパフォーマンスマネージメント(PM)ソリューション「Cognos 8」の最新版として「Cognos 8 v3(コグノス 8 バージョン3)」を2月1日より販売開始すると発表した。

 「Cognos 8」は、より実践的な戦略経営を実現する、WebベースかつパワフルなSOA基盤のエンタープライズ向けPMソリューション。2005年に発表されて以来、今回が3回目のメジャーバージョンアップとなる。新バージョンでは、BIソリューション「Cognos 8 BI」を中心に、「Cognos 8 Planning」、「Cognos BI Analysis for MS Excel」、「Cognos 8 Controller」、「Cognos 8 Go!」シリーズなどをシングルプラットフォーム上で統合したPMシステムと、導入支援サービス、利用者の役割に応じたトレーニング、ベストプラクティスを共有するサポートまでを含んだ包括的なPMソリューションとなっている。

 また、企業のパフォーマンスをさらに進化させる新機能を多数搭載し、ユーザーだけでなくパートナーや顧客など、より広範囲かつ多様なターゲットに対して、的確な情報を効率的に提供することができるほか、拡大するBIユーザーに対する導入や管理を簡素化することで、システム管理者の負担も軽減し、より効率的かつ健全な運用を実現する。

 コグノス本社 ビジネス・インテリジェンス担当副社長兼ゼネラルマネージャーのエリック・ヤウ氏は、「PMソリューションは、企業のCIOにとって最も重要なテクノロジとして位置づけられている。こうしたニーズに対応するため、新バージョンでは、BI製品群の大幅な機能拡張を行うとともに、PMに求められる幅広い機能を統合し、さらにサービスの充実化を図っている。これによって、Cognos 8のユーザーを今まで以上に拡大できるだろう」と述べている。

 また、ヤウ氏は、米IBMによる買収契約についても触れ、「コグノスとIBMの製品群は、重なっている部分が少なく、現在もっている製品を生かしながら強力なシナジー効果を出せると考えている。また、IBMは非常にグローバルな企業であるため、顧客リーチや顧客層の拡大が図れるとともに、それぞれ得意な分野でお互いのビジネスをカバーしていくことが可能となる。今回発表したCognos 8 v3についても、IBMとの協業によって、より充実したトータルソリューションを提供できるようになる」として、期待度の高さを示した。


 「Cognos 8 v3」の主な機能強化ポイントは、1)より広範囲なユーザーに対する的確な情報提供、2)システム管理負担を軽減する導入/管理の簡素化、3)コンサルティング/トレーニング/サポートの充実化-の3点。

 「より広範囲なユーザーに対する的確な情報提供」では、ユーザーのBIスキルやターゲットユーザーに合わせた機能を強化することで、ユーザーが自分の欲しい情報をより正確かつ的確に把握できるようにした。具体的には、新たに財務情報や経営情報など特定のデータを利用する専門分野のユーザー向け機能を強化し、ユーザーが直感的な操作で財務諸表形式の財務レポートを自ら作成できるインターフェイス「Express Authoring Mode」を実現。また、ビジネスユーザーによるモデリングを実現する新しいTransformerを提供するほか、管理職や経営層ユーザーが企業戦略に関連した情報やスコアカードなどすべてを一目で把握できる「スコアカード・ポートレット」、IT管理者や各部門担当者に向けたレポート作成機能「ブリーフ・ブック」、ビジネスユーザーがレポート期限のアラートをそれぞれ自由に設定できる「セルフサービス・パーソナル・アラート」などの機能強化を図っている。


自由な切り口による分析を可能にするTransformer ブリーフブックの強化 ユーザー設定のアラート機能

予防型管理
 「システム管理負担を軽減する導入/管理の簡素化」では、BIシステム内のアラートなどをタイムリーに把握できるようにするとともに、ほかのアプリケーション監視機能との連携を強化することで、導入から管理運用までを強力にサポートする。具体的には、「モデル・アドバイザー」によって、データモデラーの初心者や経験者を対象に、タイムリーな情報を提供する質の高いモデルを短期間で簡単に構築することを支援する。また、システム管理における重要な機能として、システム全体の状態をすばやく把握するために必要な情報をすべて統合したビューをシステム管理者に提供。これによって、エンドユーザー側でトラブルが発生する前の潜在的なリスクにも対処可能となる。

 さらに、システム管理者がシステムに関する評価指標を一覧で確認し、これらにしきい値を設定して監視できる予防型管理を実現。評価指標が下降あるいは上昇を始め、注意が必要な場合にアラートを受け取ることができ、システム管理者の負担を軽減できる。このほか、IT管理者向けの「Upgrade Manager」を提供。アップグレードやシステム変更などの新テクノロジーの導入プロセスを合理化することにより、ビジネスの変化に対する反応性の向上を図っている。

 「コンサルティング/トレーニング/サポートの充実化」については、より実践的な情報の提供とトレーニング、サポート体制の強化によって、ユーザーからシステム管理者などまでターゲットに合わせたサポートを充実させ、企業全体でのBI活用効率の向上を支援していく。教育カリキュラムでは、ユーザーが効率的に役割を担うために学習すべき内容と学習体験にフォーカスして編成。また、プロフェッショナルサービスについては「Cognos 8 v3」の新機能に対応するサービスを提供する。さらに、マイグレーションとアップグレードの支援、コグノス独自の導入メソドロジを用いたプロジェクト・ロードマップ作成、オンラインによる新しい顧客向けリソースセンターなどにより、PMソリューション導入による顧客の成功をサポートする。


コグノス アライアンス&ソリューション本部長の丸山尚之
 コグノス アライアンス&ソリューション本部長の丸山尚之氏は、「Cognos 8 v3」の国内向け販売戦略として、「Cognos 8 BIやCognos 8 Planningを中心に全社展開するフレームワークをパッケージ化して展開していく。ソリューションとしては、Cognos 8 BIでは、専門領域ユーザー向けの機能をさらに充実させるとともに、エントリユーザー拡大に向けた製品ラインを用意する。また、Cognos 8 Planningでは、Excelへのインターフェイスの提供によりExcelユーザーの取り込みを推進するほか、2009年をめどに連結会計用ソリューションのCognos Controllerを国内でも投入する。そして、フレームワークについては、製造業、銀行、損保、製薬など業種別のPMフレームワークを展開していく」方針を述べた。

 パートナー戦略もさらに推進していく考えで、既存パートナーとの連携をより強化し、日本対応版業界別BluePrintの共同開発を行うとともに、共同セミナーの継続的開催による共同での案件発掘を進めていく。また、パートナーと共同でコグノスのユーザー会として「Innovation Center」を設立することも計画している。さらに、コンサルティングファームを中心とした国内外の新規アライアンスパートナーとの協業も重点的に開拓し、コグノスのエンタープライズ営業との連携を図ることで、顧客企業の先進的なPMソリューションの実現をサポートしていく。



URL
  コグノス株式会社
  http://www.cognos.com/jp/


( 唐沢 正和 )
2008/01/31 18:36

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