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SAS、顧客中心型ビジネスモデルを実現するスイート製品

分析、対応、効果測定の機能を包括的に提供

ビジネス開発本部の宮田靖本部長

SAS Customer Intelligence Suiteは、さまざまな機能を包含している

ビジネス開発本部 CIビジネス開発部の高橋昌樹部長
 SAS Institute Japan株式会社(SAS)は2月6日、顧客中心型ビジネスモデルを実現するための包括的な機能を提供するソリューション群「SAS Customer Intelligence Suite」を同日より出荷開始すると発表した。

 今回発表したソリューション群は、すでに国内展開している「SAS Marketing Automation」、「SAS Marketing Optimization」の2製品に、新たに日本語対応した「SAS Digital Marketing」と「SAS Real-Time Decision Manager」を加え、顧客中心型ビジネスモデルを実現する統合マーケティングプラットフォームとしてスイート製品化したもの。これにより、マーケティング活動における顧客との関係構築に必須となる分析、対応、効果測定の機能を包括的に提供する。

 ビジネス開発本部の宮田靖本部長は、「SAS Customer Intelligence Suiteは、当社のもつBI(ビジネスインテリジェンス)のプラットフォームをベースに、顧客との関係をより高度化するために開発されたアプリケーションとなる。当社の展開しているインテリジェンスソリューションの中ではもっとも歴史が古く、自信をもって提供できるスイート製品だ」と述べた。

 また、ビジネス開発本部 CIビジネス開発部の高橋昌樹部長は、「現在、企業のマーケティング活動は、複雑化・アカウンタビリティ・顧客へのパワーシフトという3つのキーワードのもと、単なる製品の差別化だけでなく、顧客との密接な関係を構築し、顧客を中心にしたビジネスモデルへの変革が求められている。今回のSAS Customer Intelligence Suiteは、こうしたニーズに応えるため、顧客との関係から深い理解・知見を得る“INSIGHT”、顧客との適切な対話を通じ長期的な関係を築く“INTERACTION”、顧客レベルで効果を測定し顧客価値とマーケティングパフォーマンスを改善する“IMPROVE”の3つの“I”を包括的に提供し、顧客中心型ビジネスモデルの実現をサポートする。これによって、高い顧客分析力に基づく優れた意思決定が可能になる」と説明。

 導入にあたっては、「統合マーケティングプラットフォームとして提供するため、組織の成長ステージに合わせて段階的に機能拡張することができる。さらに、早期の実装・効果創出を支援する知的資産として、業界向けデータモデルやイベントライブラリ、標準データフローなども提供していくほか、海外120社、国内13社と国内外で豊富な導入経験をもっていることも大きな強みになる」(高橋部長)としている。


 SAS Customer Intelligence Suiteを構成する各ソリューションの特徴としては、今回新たに発表されたSAS Digital Marketingは、電子メール、モバイル(携帯電話)メール、RSS、Webなどのデジタルチャネルを活用したマーケティングコミュニケーションを実行するソリューション。SAS 9をベースとする統合ソリューションであり、データベースへのアクセス、顧客セグメンテーション、コンテンツの作成/管理、ホスティング、配信、顧客からのレスポンストラッキング、レスポンス結果のレポーティングといったデジタル・マーケティングに必要な機能を包括的に提供する。これにより、顧客へのインサイトに基づいたキャンペーンの企画と実施が可能になるとともに、効果検証のサイクルを綿密かつ短期間に回せるため、マーケティングの精度を上げて成果を最大化することができる。

 同じく今回初登場となるSAS Real-Time Decision Managerは、SASの分析技術をビジネスルールやコンタクト戦略に適用し、Web、コールセンター、ATMといった顧客チャネルに、現場の意思決定支援材料や顧客へのレコメンドをリアルタイムで配信するソリューション。これによって、最適な提案を判断するために必要なルールやモデルを柔軟に作成することができ、複数の顧客チャネルにおいて一貫した基準で顧客への適切な行動を正確に実施することが可能となる。

 既存の2製品のうちSAS Marketing Automationは、SAS Customer Intelligence Suiteの中心となるソリューション。顧客を理解して、適切なコミュニケーションを実施し、その効果を検証するという一連のマーケティング・プロセスの実現をサポートする。具体的には、顧客を十分に理解するために、必要な顧客データを収集・統合・管理し、顧客のセグメンテーションとプロファイリング、顧客の行動予測を実現する機能を提供する。また、簡易なインターフェイスを通じて顧客へのアウトバウンドキャンペーンを設計・管理・自動実行する機能を備えている。さらに、BI機能によって、迅速かつタイムリーなキャンペーンの効果検証やレポーティングを実現する。

 SAS Marketing Optimizationは、マーケティング活動で得られた情報やマーケティングでの戦略的要因などを考慮し、最小のコストで最大の効果を得るキャンペーン戦略を策定し、キャンペーンの最適化を図るソリューション。キャンペーンが同時並行で多数実施される際に必要となる制約条件をふまえ、最大の効果を得るためにコンタクト数や方法を最適化する。

 SAS Customer Intelligence Suiteの価格は最小構成で1500万円から。同社では、通信、クレジットカード、銀行、小売り、通販業など消費者マーケティングを大規模かつ高度に実施する企業を主なターゲットに、今後1年間で約50サイトの新規顧客獲得を目指す。



URL
  SAS Institute Japan株式会社
  http://www.sas.com/japan/


( 唐沢 正和 )
2008/02/06 18:11

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