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経営執行役常務 サービスプロダクトビジネスグループ長の石田一雄氏
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富士通株式会社は2月7日、SaaSビジネスを本格的に展開すると発表した。SaaSビジネスの実行基盤を提供する「SaaSプラットフォームサービス」、この基盤を活用してアプリケーション機能を提供する「SaaSアプリケーションサービス」、両者を組み合わせて顧客のニーズに合わせた環境を個別提供する「SaaSビジネスアウトソーシングサービス」の3つを順次提供開始する。
経営執行役常務 サービスプロダクトビジネスグループ長の石田一雄氏は同ビジネスの特長を、「SaaSパートナーと連携して幅広いサービスを提供すること。そのために富士通はデータセンター、プラットフォーム、ミドルウェア、ネットワークなどのノウハウを最大限に活用し、SaaSパートナーの環境構築をトータルにサポートする」と語る。
そのためのサービスメニューが、SaaSプラットフォームサービス、SaaSアプリケーションサービス、SaaSビジネスアウトソーシングサービスの3つだ。すでに提供済みのものから、これから順次提供を始めるものまで混在しており、SaaSビジネスを本格展開するにあたって、メニューの体系化を図ったような形。
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富士通SaaSビジネスの特長
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ビジネスモデル
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SaaSサービスの体系
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ユーティリティサービスの概要
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SaaSプラットフォームサービスでは、すでに提供済みのLinuxサーバー、ストレージサーバーのホスティングに加え、3月下旬からWindowsサーバーのホスティングも開始。併せてSaaSサービスを提供する際の開発・検証環境サービスも3月から順次提供を開始する。この開発・検証の場としては、「Platform Solution Center」の開設も予定している。そのほか、プラットフォーム上のアプリケーションをエンドユーザーが利用するための環境を整えるサービスや、課金・検索・バックアップなど補助的な機能を提供するユーティリティサービスなども4月から順次提供を開始する。
SaaSビジネスアウトソーシングサービスでは、BPOや各種運用サービスを組み合わせて顧客ごとに環境を構築。主に要件が複雑で、上記のSaaSプラットフォームサービスのように定型のサービスでは対応しきれない大企業向けのサービスとなる。こちらはすでに提供済み。
これらに富士通のGLOVIAやメール配信・グループウェアといった業種・業務特化または汎用的なアプリケーション機能を提供するSaaSアプリケーションサービスを加え、同ビジネスのサービスメニューとしている。
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SaaSパートナープログラム
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メニューには富士通製品をSaaSとして提供するものも含まれているが、富士通が何らかのアプリケーションをSaaS形式で提供するより、あくまでOBCや弥生に代表されるようなパッケージベンダなどのパートナーと手を組み、このパートナー向けにSaaS基盤の構築支援を行うのが狙いのようだ。
「今後確実にブレークするSaaSで新たなビジネスモデルを創造するため、パートナーと“共創”するのが何より重要」という点を石田氏は強調。「富士通はインフラ構築などの黒子にまわるとともに、SaaSパートナー向けに情報提供、技術、マーケティング支援を行うSaaSパートナープログラムを提供する予定」としている。
同プログラムでは、開発・検証・トレーニングなどを支援する「Technical」、情報交換フォーラムの開催やWebによる情報提供などを行う「Community」、ビジネス設計や共同マーケティングなどを支援する「Marketing」の3種をメニュー構成とし、富士通の技術者を中心に技術・ビジネス両面からサポートするのが特長だ。
「中堅・中小企業では、SaaSに対して業務アプリケーションだけでなく、セキュリティや統合ID管理といったものを求めるようになっている。こうしたニーズに対して富士通では、高セキュリティのデータセンターを軸にネットワークからオンサイト、システム開発までトータルにサービス提供できるのが強み」と話す石田氏。SaaSビジネスを本格展開することで、富士通では今後3年間で1300億円の売り上げをめざすとした。
■ URL
富士通株式会社
http://jp.fujitsu.com/
プレスリリース
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2008/02/7-1.html
( 川島 弘之 )
2008/02/07 14:44
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