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レッドハット、日本のSOAに“革命”を起こす「JBoss Enterprise SOA Platform」

オープンソース&低価格を武器に1年間で売上10倍を目指す

JBoss Enterprise SOA Platformの概要

代表取締役社長の廣川裕司氏
 レッドハット株式会社は2月28日、SOAによる業務システム構築のためのミドルウェアスイート「JBoss Enterprise SOA Platform」を発表した。3月上旬より出荷を開始する。

 今回発表されたJBoss Enterprise SOA Platformは、ESB(エンタープライズサービスバス)を構築する「JBoss ESB」、業務のワークフローを管理する「JBoss jBPM」、ビジネスルールの定義と管理・実行のためのエンジン「JBoss Rules」、およびこれらの基盤となるアプリケーションサーバー「JBoss Enterprise Application Platform」を統合したスイート製品。

 特長は、オープンソースで仕様が明確である点と、他社製品と比べて圧倒的な低価格である点。同社代表取締役社長の廣川裕司氏は、「SOAが思った以上に普及しない理由として、製品そのものが独自仕様で作られておりブラックボックス化していることと、標準化されているとはいいながらも現実には接続性が乏しいという問題があげられる。また、導入時のコストが非常に高いのも問題。導入する企業の役員会で承認が必要なレベルであり、なかなか小さく始めることができない」と指摘する。

 今回発表されたJBoss Enterprise SOA Platformでは、オープンソースであることから、ソースコードを閲覧できるため、システム構築や運用の際の問題に対処しやすいのが特徴。価格に関しても他社製品と比べ低価格であるため、小さく始めることができるとしている。「今回発表したのはスイート製品であるので、単体製品から始めれば、さらに小さくスタートできる」(廣川氏)と、一部のシステム関連携などから手軽に始められるメリットを強調した。


JBoss ESB JBoss jBPM JBoss Rules

 JBoss Enterprise SOA Platformのライセンスは無償。テクニカルサポート、製品アップグレード、修正プログラムの提供などを含む年額のサブスクリプションの価格は210万6000円(税別)から。


今後の取り組み
 あわせてJBoss製品の国内事業戦略を強化することも発表。3月1日付で「JBoss事業推進本部」を社長直轄組織として発足し、人員も倍増の20名体制で取り組んでいく。また同日付で「JBossソリューションセンター」を新設したことも発表。同社内にあるテクニカルセンターを利用し、ISV各社に対してJBoss製品上でのソフトウェア動作検証環境を提供する。販売/構築パートナーも現在の5社から今後1年間で20社まで拡大し、提供されるISVソリューションも50まで増やす考え。

 廣川氏は、「昨年5月よりJBoss事業を開始し、これまでに50社以上で採用していただいた。これを今後1年間で500社まで拡大し、売上も10倍にまで伸ばしていく」と宣言。「この製品は日本のSOAに革命を起こす製品」と、積極的に取り組んでいく姿勢を示した。



URL
  レッドハット株式会社
  http://www.jp.redhat.com/
  プレスリリース
  http://www.jp.redhat.com/news_releases/2008/02282008.html


( 福浦 一広 )
2008/02/28 14:26

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