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米Oracleのジャパン ソフトウェアライセンス事業担当 シニア・バイスプレジデント、ディック・ウォルベン氏
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日本オラクル株式会社は2月28日、国内におけるEPM(エンタープライズ・パフォーマンス・マネジメント:統合業績管理)戦略を発表した。EPMとは、企業の業績(パフォーマンス)を管理する仕組みで、業績を常に監視して分析し、企業戦略を迅速に推進することを目的とする。
米Oracleは、EPMやBI(Business Intelligence)分野で多くの実績とシェアをもっていた米Hyperion Solutionsを2007年に買収し、これまで自社が展開してきた経営管理、分析ソリューション群との統合を行った。その結果、より強化、拡充された統合業績管理基盤「Oracle|Hyperion Enterprise Performance Management(EPM) System」が完成。日本でも積極的に展開していくことになったという。
Oracleのジャパン ソフトウェアライセンス事業担当 シニア・バイスプレジデント、ディック・ウォルベン氏は「ビジネスでは実際に何かがおきてしまう前に、事態を予想できる仕組みが求められている」と述べ、EPMが成長著しい分野であることを強調した。
さらに、Oracle ビジネス・インテリジェンス&パフォーマンス管理担当 シニア・バイスプレジデントのジョン・コブキ氏は、「現在のビジネスは複雑化し、リスクは拡大しているため、従来型の経営が通用しなくなっている」と語る。90年代には、ERPの導入によってビジネスプロセスを効率化するだけでも競争優位性を得ることができたが、現在では単なる効率化だけでは優位性を確保できなくなっているという。
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日本オラクル 常務執行役員 製品戦略統括本部長の三澤智光氏
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また日本においても、企業を取り巻く経営環境は急速に変わりつつある。特に日本会計基準と国際会計基準とのコンバージェンスの必要性など、グローバル化への対応に頭を悩ませているケースが多いという。また、日本版SOX法などの法整備も、ビジネス環境の変化を加速させる要因となっている。日本オラクル 常務執行役員 製品戦略統括本部長の三澤智光氏は、「まさにEPMは時代の要請」とし、EPMが注目されている分野であることをアピール。その上で、日本におけるEPMの戦略として、前述したOracle|Hyperion EPM Systemの提供に加えて、EPM推進パートナーの拡充、サポート体制の強化などを行っていくと説明する。
Oracle|Hyperion EPM Systemの製品構成は、ミドルウェア製品群「Oracle Fusion Middleware」をベースに、データを一元管理し、加工、集計、分析するBI基盤である「Business Intelligence Foundation」を構築。さらに、業務や業種別に事前定義された包括的な分析アプリケーション「BI Applications」と財務連結や予算策定、買収計画などの戦略策定を支援する財務パフォーマンス管理アプリケーション「Performance Management Applications」が実装される。
Performance Management Applicationsには、戦略的プランニングソリューション「Hyperion Strategic Finance」、計画策定と予算編成の「Hyperion Planning」、財務連携ソリューション「Hyperion Financial Management」があり、さらに損益管理をソリューションとして2008年内に「New Profitability Application」のリリースを予定している。
Oracle以外にも、独SAPがBusiness Objects(BO)を、米IBMが米Cognosを買収したように、EPMの分野は非常に注目される分野になりつつある。その中で三澤氏は、国内には2000社を超えるHyperionの導入企業があり、戦略パートナーにもアクセンチュアやアビームコンサルティングなど大手のコンサルティング企業やSIerがいるとし、日本オラクルの優位性を強調した。
■ URL
日本オラクル株式会社
http://www.oracle.co.jp/
プレスリリース
http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1838
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( 北原 静香 )
2008/02/28 18:16
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