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GCT研究所、KDDIとの提携で「顧客の要望にピタリと合う」SaaS型ERPを発表


 株式会社GCT研究所は3月13日、KDDI株式会社との提携に基づき、SaaS型ERP「Just-iS(ジャスティス)」を提供すると発表した。カスタマイズ時の「モディファイ(変更)」が無料なほか、ユーザーの業務要件に応じて専門性の高い機能も格安で追加提供するのが特長。なお同サービスは、KDDI株式会社とマイクロソフト株式会社が提供する「Business Port Support Program」における最初の業務アプリケーションの1つとなる。

 Just-iSは、従来のASPサービスやパッケージ製品と異なり、ユーザー企業が必要とするアプリケーションの機能を、細かな業務メニューの単位で自由に選択できるサービス。GCT研究所では、「導入時にアプリケーションを自由にカスタマイズできる、オンデマンドでリアルなSaaSサービスだ」としている。

 カスタマイズのうち、あらかじめ用意された業務フローや画面、帳票、データベースなどに変更を加えるモディファイはGCT研究所が無料で対応。選択した業務メニューのフロー設定や各業務内の項目、画面構成なども自由に変更できるので、ユーザーは自社固有のニーズに合致した業務システムを短期間かつリーズナブルに導入できるという。なお、特殊なアドオン開発などは有償となるが、同社独自の先進アーキテクチャ「iRYSHA(イェライシャ)」が可能とした柔軟性により、「オンデマンドサービスでありながらもスクラッチ開発のような自由度で、ユーザー1社1社の業務要件にピタリと合致したシステムを、これまでにない低コストで実現する」(同社)としている。

 サービスメニューは、一般企業のERPに求められる業務や機能のほとんどを順次網羅していく予定。なおかつ、それでも足りない業務や機能があった場合には、要望に応じて対応する。これにより特殊な業種・業態に特化した新たな業務フローの追加も可能だ。さらに、こうして個別に追加された業務フローは、順次一般メニューに追加されていく。結果として、ほかのユーザーが業務範囲を広げる際には選択肢が増えるという「業務コミュニティ」の形成をめざす方針。

 なおJust-iSは、KDDIが運営するSaaSソリューション「Business Port」で提供される。第1弾ではまず「Seasonβ」として、Suica/PASMOなどのデータを活用した「自動旅費精算フロー」を4月1日よりリリース。秋以降には「受注・販売フロー」「商品購買・在庫フロー」「リソース調達フロー」「直送フロー」「経費精算フロー」「債権・回収管理フロー」「債務・支払管理フロー」などを順次リリースし、その後も拡張していくとする。今回のSeasonβは、ERPサービスとしての本格展開に先立つ先行本番投入であり、「従来存在しなかった業務システムの導入方法を実証するという意味では初の商用プログラムとなる」(GCT研究所)としている。

 Just-iSの価格は未定。具体的な価格構成について近日中に詳細を公開するとしているが、契約企業各社の利用人数と使用になる業務範囲に応じた月額従量課金制での提供となる見込み。先行サービスの自動旅費精算フローについては、キャンペーン価格として1社当たり月額数万円からを予定している。



URL
  株式会社GCT研究所
  http://www.gcti.co.jp/
  ニュースリリース(PDF)
  http://www.gcti.co.jp/cprofile/archives/news08_0313.pdf

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( 川島 弘之 )
2008/03/13 16:44

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