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テンダ、ソフト操作に関するeラーニング教材の簡単作成ツール「Dojo」


Dojo

Dojoの仕組み
 株式会社テンダは4月1日、マニュアル/シミュレーションコンテンツの作成ツール「Dojo」を発表した。

 Dojoは、国内で1000本以上の販売実績を持つという、アプリケーション操作スキルのトレーニングソフト「SoftSimulator」の後継製品。Windows上で動作するアプリケーションやWebアプリケーションの画面操作を記録し、静的なマニュアルやeラーニング用の動的コンテンツを作成することができるソフトだ。

 これまでベトナムで開発されていたSoftSimulatorだが、Dojoでは純国産化を実現。これにより機能強化のスピードやサポート力の向上を図った。加えて、操作性など既存ユーザーの使い勝手を継承したまま、コンテンツ作成などの利便性向上につながる新機能を数百単位で盛り込んだ。また、ソフトの基本構造自体も大幅に改良することで、コンテンツを書き出す「ジェネレート」の速度などパフォーマンスを約3倍に向上したという。

 マニュアルは、HTML/PDF/Word/Excel/PowerPoint形式で出力可能で、操作画面と手順説明文が記述される。オンラインコンテンツでは、DHTML/AVI/Flash形式に対応。文字入力やボタンクリックなどの動きが忠実に記録され、Webブラウザ上などで再生することができる。こうして作成されたコンテンツは、社内システムの操作方法を説明する教材として利用が可能だ。

 オンラインコンテンツには、「オートデモンストレーション」「オペレーションレクチャー」「プリテスト」「オペレーションエクササイズ」の4つのモードが用意されている。


 オートデモンストレーションでは、記録した操作手順を機械的にリプレイ。入力した文字やクリックするボタンなど、吹き出しによる説明文を読みながら、手順を学ぶことができる。オペレーションレクチャーでは、同じように吹き出しによる説明文を読みながら、ユーザー自身で操作を行うことができる。ここまでは説明文が表示されるので、ユーザーはそれに従って、まずは操作方法を確認するフェーズとなる。

 操作方法が確認できたら、次は徹底的に反復して、操作を体に染みこませるフェーズに入る。それがプリテスト。ここでは画面に説明文が表示されず、ユーザーは記憶だけを頼りに自らの手で操作を進めていく。任意に設定した回数だけ操作をミスすると、もう一度オペレーションレクチャーに戻って、手順を確認できるようになっている。

 こうして反復的にシミュレーション(疑似体験)できるところが、同製品の最大の特長だ。米National Training Laboratoryの調査では、ディスカッションやデモンストレーションなどによるトレーニングに比べ、疑似体験した場合の方が、2倍から15倍ほど知識の定着率が高いとのことで、Fortune 500のうち80%の企業がIT教育にシミュレーションを採り入れているという。同製品はまさにそこに着目しているわけだ。

 最後のオペレーションエクササイズは、最終確認のフェーズ。プリテストと同様に、説明文なしの状況で最後まで操作を完了するのだが、この場合はいくら間違えてもオペレーションレクチャーに戻って再確認することはできない。間違えつつも操作を完了すると、何回ミスをしたか、どこで間違えたかの指摘とともに、修得度が点数で表示される。この成績表をメールで管理者に通知できる仕組みとなっており、これによりeラーニングの効果測定が可能になる。


動的コンテンツのモード選択画面 オペレーションエクササイズ終了後の成績表示画面 成績表をメールで送信する機能も備える

 吹き出しの説明文を変換したり一括置換するといったことも可能。さらに音声録画にも対応。吹き出し1つ1つにアテレコしていくこともできる。

 また面白い機能がもう1つある。Dojoではアプリケーションの操作だけでなく、ハードウェアの操作手順も教材化することができる。例えば、ATMでの銀行振り込みや、医療のCTスキャンなど。これらを操作している様子をデジタルカメラなどで撮影し、その写真上に、Dojoの編集機能を使って、ボタンや吹き出しなどを追加することができる。アプリケーションのマニュアルを作成するように、半自動的にというわけにはいかないが、少々手間をかければさまざまな用途で利用が可能だ。


コンテンツ編集画面。1つ1つの手順ごとにプロパティが用意され、吹き出しの内容などを編集できる 音声録画にも対応 CTスキャンを操作している様子をデジカメで撮影。Dojoを使って教材化した様子

 価格は、80万円/ユーザーから。ここでいうユーザーとは、コンテンツ作成者のことで、コンテンツを使って実際に学習するエンドユーザー数に制限はない。SoftSimulatorで既に1000ユーザーの実績があるが、テンダでは、これら既存ユーザーへの乗り換えを進めるとともに、新規導入も進め、1年後には倍の2000ユーザーへの拡大をめざす方針。ターゲットは、一般社員の教育に悩む企業、人の移り変わりが早いコールセンターやヘルプデスク、ERPなどの導入でシステムが一変して困っている企業など、としている。



URL
  株式会社テンダ
  http://www.tenda.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.tenda.co.jp/solution/softsimulator.html


( 川島 弘之 )
2008/04/01 11:28

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