日本電気株式会社(NEC)は4月7日、仮想PC型シンクライアントシステム「VirtualPCCenter」を強化すると発表した。
VirtualPCCenterは、仮想PCサーバー上に個々のクライアント環境を格納し、シンクライアントへ配信して利用させる、仮想PC型のシンクライアントソリューション。データはすべてサーバー側で管理され、サーバーとシンクライアント端末の間では、画面遷移とキーボード・マウスの入力のみをやりとりする仕組みが採用されている。企業はこれを利用することで、効率的な運用管理とITリソースの有効活用が可能になるメリットがある。また、データは端末側に保存できないため、情報漏えい対策にも効果的という。
今回の強化版では、管理サーバーのソフトウェア運用管理機能が強化され、クライアントの作業負荷に応じて仮想PCサーバーの稼働台数を自動的に増減させられるようになった。負荷が少ない場合は少数の仮想PCサーバーにクライアント環境を集約し、余ったサーバーの電源を切ることができるので、消費電力を削減可能という。加えて、仮想PCサーバーに接続可能な端末を制限するセキュリティ面での強化が行われたほか、仮想PCのOSにWindows Vistaが利用可能になっている。
また、シンクライアントのラインアップを強化。まず、デスクトップ型シンクライアント端末の新製品として、手のひらサイズのエントリーモデル「US110E」、デュアルディスプレイ対応の「US300」を発売する。価格はそれぞれ、3万6000円(税別)、6万2000円(同)。一方で、既存PCをシンクライアント化するソフトウェア「SigmaSystemCenterソフトウェア シンターミナル 2.1」を新たに提供し、ユーザーの選択肢を増やした。この製品を用いてUSBもしくはCD-ROMからPCをブートすると、一般PCをシンクライアントとして利用できる。価格は、CD-ROM版が1万5000円(税別)、USB-ROM版が1万9800円(同)。
さらに、最小10ユーザーからのスモールスタートが可能なパッケージ「Express5800/120Rj-2 VPCC仮想PCサーバ」も投入される。これは、IAサーバーとシステム構築用ソフトウェア「VirtualPCCenter2.0Lite仮想PCサーバ」、仮想PCクライアントライセンス(10台分)をセットにしたパッケージで、価格は150万円(税別)から。仮想PCは最大50台まで拡張可能だ。
なお、新製品はいずれも4月7日より販売を、4月28日より出荷を開始する。
■ URL
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/
プレスリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0804/0701.html
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