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マイクロソフト、Windows Server 2008など企業向け次世代プラットフォーム3製品を正式発表

業界との連携で対応ハードウェアやSIサービスなども提供可能に

マイクロソフト 代表執行役社長の樋口泰行氏

パートナーとの連携により、ローンチと同時に多くのソリューションが提供可能という
 マイクロソフト株式会社は4月15日、サーバーOS「Windows Server 2008」、統合開発環境「Visual Studio 2008」、データベースソフトウェア「SQL Server 2008」の3製品を正式に発表した。

 今回の発表は、「製品だけの発表ではなく、いわば、パートナーと連動したローンチである」(マイクロソフト 代表執行役社長の樋口泰行氏)点が特徴。「出荷の準備段階から、業界各社のパートナーと連携してきた」(同社長)ことにより、製品発表段階で、ハードウェア、サードパーティアプリケーション、システムインテグレーション(SI)の各分野において、多くの製品・ソリューションが提供可能な状態になっているという。

 まずハードウェアでは、2008年夏にかけて110機種以上が投入され、そのうちの90%以上で、Windows Server 2008の新機能である仮想化ハイパーバイザー「Hyper-V」も利用できるとした。なお、Hyper-Vは現在ベータ版提供となっているが、8月までには正式版が提供される予定である。

 次のアプリケーションは、3製品合計で350社から500以上が提供されるほか、システム導入に不可欠なSIサービスの分野でも、パートナー38社からの提供が予定されているという。すでに、今回発表された製品群に関する認定資格(MCTS:マイクロソフト認定テクノロジースペシャリスト)取得者は700名を超えており、技術トレーニングも、2万を超えるエンジニアが全国で受講している状況。樋口社長はこれについて、「製品発表の段階で(認定技術者が)存在することがまず初めてで、しかもそれが700名にものぼる。大変力強く感じている」とコメントした。

 一方、早期導入もすでに15社で行われている。これらの企業の中では、Windows Server 2008の検疫機能「NAP」やHyper-Vが利用されているところもあるほか、Visual Studio 2008が持つチームファウンデーション機能で開発生産性向上を実現した企業もあるとのこと。「特に品質がいい、という報告を含めて、高い評価をいただいている」(樋口社長)と成果をアピールしていた。


新製品群の投入で、仮想化の促進をはじめ、さまざまな影響を市場に与えられる
 また樋口社長は、新製品が提供できるメリットを、3つの面から説明した。1つ目は「仮想化製品の普及促進」で、「仮想化は従来、専門的な知識が必要で、比較的価格も高いといわれているが、(OSの標準機能であるHyper-Vによって)普及に貢献できると思う。仮想化では、コスト/TCOの削減、グリーンITへの対応、リソースの最適化、ビジネス変化に柔軟に対応可能なシステムの構築・展開を、安全かつ低コストで実現できる」とその価値を説明する。

 2つ目としては「ミッションクリティカル分野での利用」を挙げ、「信頼性、スケーラビリティの向上により、ハイエンドミッションクリティカル領域でもWindowsを安心して利用できる体制が整ってきた」とアピールした。この品質という面では、2007年9月からマイクロソフト社内にCQO(チーフクオリティオフィサー)を設置しており、「組織の中で品質の問題はたらい回しにされがちだが、責任を明確にして、本社との連携のもとに対応している」(樋口社長)ことを強調。一般的なバグはもとより、ミッションクリティカル領域で利用されているユーザー固有のトラブルについても改善しているとした。3つ目は、「次世代プラットフォームへの対応」で、SaaSなどを見据えた場合でも柔軟に対応できる点を強調している。

 最後に樋口社長は、ITエンジニア向けの継続的な支援をコミット。「今回のローンチのテーマは『ヒーローは現場にいる』というもの。現場のユーザーに当社の製品や基盤技術を担いで、また慣れ親しんでもらわない限り、当社だけでは何もできない」とした上で、「もっともっと現場の技術者にスポットライトをあてていきたい」との方向性を示している。

 なお、3製品それぞれ販売開始日は異なっている。すでに、Visual Studio 2008は2月から、Windows Server 2008もボリュームライセンス版が3月からそれぞれ提供されているほか、Windows Server 2008のパッケージ版は4月16日に発売される。SQL Server 2008の提供はまだ先で、2008年第3四半期になる見込みだ。


製品発表会では、パートナーの代表者も登壇。終了後は、樋口社長や米Microsoftのジェフ・レイクス社長を囲んでの記念撮影も行われた ハードウェアベンダーは、4社が登壇。各社とも、ミドルウェアやSIなどを含めて、新製品へ早期対応しているとアピールした。最初に登壇したNECのコンピュータソフトウェア事業本部長、山元正人氏はさらに、全社のActive Directoryサーバーを4月15日からWindows Server 2008に切り替えたことを説明。「製品をWindows Server 2008に早期対応させると同時に、当社の中でしっかり使い、導入実績を踏まえた上でお客様に提供していく」と述べた 日本HPの執行役員 松本芳武氏は「当社の進める『アダプティブ・インフラストラクチャ』の中で、今回の新製品群が重要な役割を果たすと確信している。社内で多くのノウハウを蓄積しており、より多くのお客様に導入いただくためにサポートサービス、SIサービスのメニューを潤沢に用意していく」と述べた

日立の北野昌宏理事は、「Windows Server 2003からの5年ではCPUの64ビット化などいろいろな変化があったが、全体的なテクノロジの進化を集約して出されたWindows Server 2008を歓迎したい」とあいさつ。「今後もマイクロソフトと協力関係を築きながら、お客様に最適なシステムを提供する」とした 富士通の経営執行役常務、山本正己氏は、「マイクロソフトとはあらゆる分野で協業してきた」としたほか、Windows Server 2008のNAPをはじめとする新しい機能をあらかじめ実装して提供し、導入のシンプル化を支援するなどと説明した。 SIerの代表として登壇したCTCの取締役、後藤健氏は「当社はUNIXを中心としたインテグレータとしての認識が強いが、Windowsの信頼性向上により、ミッションクリティカル領域でのWindowsでのシステム構築を強く切望されるようになった」とあいさつ。認定技術者のうち1/3がCTCのエンジニアである点を強調し、「『WindowsもCTC』といわれるよう、ビジネス展開を図っていきたい」と話した


URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  プレスリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3418

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( 石井 一志 )
2008/04/15 12:58

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