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日本BEA、ESB製品の最新版「BEA AquaLogic Service Bus 3.0」

Eclipseベースの新開発環境も提供

日本BEA 代表取締役社長の志賀徹也氏

BEA AquaLogic Service Bus 3.0の画面イメージ
 日本BEAシステムズ株式会社(以下、日本BEA)は4月23日、同社のESB(Enterprise Service Bus)製品の最新バージョンとなる「BEA AquaLogic Service Bus(ALSB) 3.0」を発表した。4月24日から国内出荷を開始する。

 日本BEAの代表取締役社長 志賀徹也氏は、「ようやくSOAが根付いてきた。日本版SOX法によって日本企業でもビジネスプロセスを見直すようになってきている」と語り、日本におけるESB市場の拡大に対する期待をのぞかせた。

 ALSB 3.0は、前バージョン「同 2.6」の機能をさらに拡張し、複数のESBインスタンス間や、複数の拠点にまたがった異種混合のサービス群であっても、横断的に効率よく接続・中継・管理できるようになっている。

 パフォーマンスやスケーラビリティにおいても、コアの実行環境が前バージョンと比較して12%高速化。また、永続JMSを使用した場合のパススルーが40%高速化したほか、EJBトランスポートのスループットが2.75倍になるなど、さまざまな機能強化が行われている。

 ESBといえば単にサービスをつなぐ製品と思われがちであるが、ALSB 3.0ではサービスを管理するさまざまな機能が提供されている。たとえば、高負荷を防止するためにバックエンドのサービスの性能に合わせてメッセージの流量を制御したり、負荷を分散するために複数のエンドポイントを設定したり、といった機能だ。

 さらにALSB 3.0には、Eclipseベースの新しい開発環境「BEA Workspace Studio」が追加されている。より大規模な環境における開発生産性を向上するため、今後日本BEAではALSBのみならず、ほかの製品の開発環境も順次Eclipseベースのものへと移行していく予定であるという。

 BEA AquaLogic Service Bus 3.0の価格は、1CPU当たり450万円。販売は、日本BEAおよび同社のパートナー企業を通じて行われる。また無償評価版は、同社サイトからダウンロードできる。

 なお米BEAといえば、昨年から米Oracleによる買収が話題になっている。この話題に関して志賀氏は、「4月3日の株主総会において承認が得られた。あとは欧州のトラストからの承認を待っている」と述べ、Oracleからの買収がいよいよ現実味を帯びてきていることを明らかにしている。買収によってBEAのミドルウェア技術がOracleのプロダクトにどのような影響を与えるのかはまだ不明であるが、日本BEAでは、既存のユーザーに不利益になるようなことはなく、今までの技術をそのまま使い続けられるような体制になっていくだろうとの見方を示していた。



URL
  日本BEAシステムズ株式会社
  http://www.beasys.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.beasys.co.jp/news/japan/2008/2008042301.html


( 北原 静香 )
2008/04/24 11:03

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