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IDSシェアー、BPM製品群とサービスを組み合わせた新ソリューション


独IDS Scheer AG コンサルティングサービス担当Executive Board MemberのDr.ディルク・ウーバーマン氏

グローバルビジネスにおけるターゲット業種
 IDSシェアー・ジャパン株式会社(以下、IDSシェアー)は5月8日、新たなBPM(ビジネスプロセス管理)ソリューションとして「ARIS Business Performance Edition」を発表した。同社のARIS Platform製品群とサービスをすべて包括し、それらを組み合わせて提供するソリューションで、これによって顧客の業務改革を継続的に支援していく。

 新ソリューションの発表に先立ち、独IDS Scheer AG コンサルティングサービス担当Executive Board MemberのDr.ディルク・ウーバーマン氏が、グローバルでのビジネス戦略を説明。「当社はBPMのリーディングベンダーとして、業種別のソリューション展開で豊富なノウハウをもっている。現在は、製紙、繊維、金属、化学、医薬品、コンシューマ商品、小売り、の7つの業種にフォーカスしており、2010年には、この7業種でのコンサルティング売上比率を60%強まで高めていく。一方、ソリューション別では、エンタープライズBPM、プロセス&BI、SOA、ガバナンス/リスク/コンプライアンス、SCMという5つの領域に注力し、2010年までにグローバル市場で売り上げの50%強を占めるビジネスに成長させていく」との方針を示した。

 次に新ソリューションの開発目的に触れ、「まず、顧客に対してBPMプロジェクトの構築や導入にかかる時間とコストの削減を図ることが開発目的の1つ。そして、ビジネスプロセスのボトルネックを発見・分析し、その改善と向上を図る。さらに、ビジネスとITを強力に連携させることでプロセスをガイドラインとして活用できるソリューションを目指した」(ウーバーマン氏)としている。


ARIS Business Performance Editionの概要

IDS Scheer AG Extended Board Member兼IDS Scheer アジアパシフィックアンドジャパン シニアバイスプレジデント&ジェネラルマネージャーのDr.-ing. カーステン・トーマス・ヨルンス氏
 「ARIS Business Performance Edition」は、1)ビジネスプロセスパフォーマンスの向上、2)ITを通じたビジネスの改善、3)ビジネスコンプライアンスの確保、の大きく3つの要素で構成されており、既存のARIS Platform製品群と各種サービスがこれに含まれている。なお、今後発表される新製品も同ソリューションにマッピングされる予定。

 具体的に、1)では、企業のパフォーマンスを全社的に向上・維持するためのソリューションを提供する。ビジネスプロセスの設計・分析・管理を行う総合モデリングツール「ARIS Business Architect」、ビジネスプロセスを評価・分析するツール「ARIS Process Performance Manager」などの製品がこの要素に含まれる。

 2)では、企業の既存のIT投資を業務要件と照らし合わせ、リソースを効率的に投入するためのソリューションを提供する。これにより、IT技術とは独立したかたちで企業のビジネスプロセスを記述することができる。ビジネス主導型のSOAを実現する「ARIS SOA Architect」、ビジネスプロセス管理およびビジネスルールモデリングの統合を実現する「ARIS Business Rules Designer」などの製品がこの要素に含まれる。

 3)については、法的および倫理的に準拠したコーポレートマネジメントを確保するためのソリューションを提供していく。

 新ソリューションについて、IDS Scheer AG Extended Board Member兼IDS Scheer アジアパシフィックアンドジャパン シニアバイスプレジデント&ジェネラルマネージャーのDr.-ing. カーステン・トーマス・ヨルンス氏は、「顧客企業の継続的な業務改革を支援していくためには、従来のようにパッケージ販売をしているだけでは難しいと判断した。今回のソリューションによって、BPMに基づき長期的に業務改革をサポートすることが可能となり、顧客企業に対してより高いベネフィットを提供できると考えている」とし、「これを機に単なるパッケージベンダーから脱却し、今後はソリューションベンダーとしてBPMの推進役を担っていきたい」と意欲を見せた。

 日本市場での展開に関してウーバーマン氏は、「当社は欧州を中心にビジネス展開しているが、ここ数年の成長を支えてきたのは米国とアジア太平洋地域だ。特に、日本市場は、BPMビジネスにおいて大きな潜在需要があるとみており、グループ全体で重要な市場と位置づけている。今後も安定的なビジネス拡大に期待している」と述べた。


IDSシェアー 代表取締役社長の沖村一宏氏
 なお、4月にIDSシェアーの新社長に就任した沖村一宏氏は、「今回の新ソリューションによりARIS Platform製品群とサービスを組み合わせ、最適なBPMソリューションやノウハウを幅広い企業に提案していく。あわせて、パートナー戦略にも力を注ぎ、NECや日立、SAPジャパンなどのパートナー企業へのサポートをより強化することで、当社だけではアプローチできない企業にもターゲットを拡大し、パートナーとともに拡販展開していきたい」との抱負を語った。



URL
  IDSシェアー・ジャパン株式会社
  http://www.ids-scheer.com/jp/
  プレスリリース
  http://www.ids-scheer.com/jp/News/IDSARIS_Business_Performance_Edition/113566.html?referer=59668


( 唐沢 正和 )
2008/05/08 17:11

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