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日立システム、「インメモリ構造+並列処理」の超高速DWHエンジンを販売


第三事業グループ プラットフォームソリューション本部長の西條洋氏
 株式会社日立システムアンドサービス(以下、日立システム)は5月13日、独EXASOLが開発した次世代データウェアハウス(DWH)・エンジン「EXASolution」の日本語対応版を、9月1日から出荷すると発表した。

 EXASolutionは、高速の検索性能を実現するインメモリデータベース(DB)。独自のインメモリDBMSと並列処理の技術により、TPC(Transaction Processing Performance Council)が公表したベンチマークで、世界最速に輝いた製品という。

 複数のサーバーを並べることで、それぞれのメモリ空間を共有。インメモリDBMS技術でメモリ上での検索処理を可能にしているのが特長。また、データを分散配置することで、並列処理による高速化を実現している。単純にサーバー数を増やすことで性能アップが図れる上に、高価な専用ハードウェアを用意する必要はなく、汎用のインテル系PCで利用できるためコストも抑えられる。

 第三事業グループ プラットフォームソリューション本部長の西條洋氏は、「ミリ秒からマイクロ秒の検索が可能になる」とアピールしている。

 また、もう1つ高速処理を実現する工夫として、生データをすべて流し込むアプローチを採る。「通常、DWHでは夜間バッチ処理などでデータローディングを行うのだが、検索を行うためにデータ加工や、インデクシングなどを行う必要があり、長時間に及んでしまう。最終的に分析を行う際にはすでに過去のデータとなっていることも多く、確実な意思決定が行えなかった。一方で生データをすべて流し込むEXASolusionでは、高速なローディングが可能。インデクシングもほとんど行わないアーキテクチャを採用しているため、現在の分析が可能な“速さ”が実現できる」(西條氏)とのこと。


次世代DWHエンジンが提供する機能 インメモリ構造を採用。複数台のサーバーのメモリ空間を共有できるため、単純にハードウェアを増強することで、スケーラブルに性能アップできる

EXASolutionの主なアーキテクチャ
 具体的なアーキテクチャとしては、汎用ハードウェアの上に、フェイルセーフ管理などを行う「並列クラスタシステム」が乗り、その上にデータ圧縮・クラスタ間通信・インメモリプロセッシングを行う「並列アルゴリズムライブラリ」、SQL2003準拠のインターフェイスとなる「並列SQLエンジン」が乗る形。それらを管理するツール「EXAOperation」も提供される。

 同氏は「圧倒的な速さのため、これまであきらめていた検索やデータ分析など新しい活用の道も開けるかもしれない。ここにインテグレーションの可能性がある」として、製品販売のほか、SIとしての提供も積極的に行っていく意向を見せた。

 販売ルートは、直販のほか、日立情報システムズなどのSIパートナー経由を検討。現在、日本語対応や評価などを鋭意進めている段階で、出荷は9月1日からとなる。

 ライセンス価格は、メモリ使用量100GBまでで2500万円(税別)。保守費用は500万円(同)/年。日立システムでは、EXASOLとの共同マーケティングの下、今後3年間で約30億円の売り上げをめざす。



URL
  株式会社日立システムアンドサービス
  http://www.hitachi-system.co.jp/
  EXASOL
  http://www.exasol.com/


( 川島 弘之 )
2008/05/13 18:39

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