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日本テレロジック、モデル駆動型開発ソリューション「Rhapsody 7.2」を発表


Telelogic An IBM Company モデリング製品事業部門 ビジネス開発/プロダクトマーケティング担当副社長、ジョージ・ルブラン氏

日本テレロジック 代表取締役社長の大坂稔氏
 日本テレロジック株式会社は5月14日、モデル駆動型開発(MDD:Model Driven Development)ソリューションの新版「Telelogic Rhapsody 7.2」を発表した。

 Telelogic Rhapsodyは、システム、ソフトウェア、テストのためのMDD環境。UML 2.1、SysML、DoDAF、AUTOSARを使って、システム設計とソフトウェア開発を行うことが可能で、モデルからC、C++、Java、Adaのアプリケーションコードを自動で生成できる。また、既存のコードからモデルを生成することも行えるため、モデルとコードを自動で同期することも可能である。

 Telelogic An IBM Company モデリング製品事業部門 ビジネス開発/プロダクトマーケティング担当副社長、ジョージ・ルブラン氏は、「ある調査では、『全製品の42%は既存の製品をベースとしており、平均では、アプリケーションの40%のコードは再利用である』とレポートされている。効率のよいソフトウェア開発には、既存のコードやサードパーティーのパーツを取り込むことが重要だ」と主張。そのため、今回提供される新版にも、ソフトウェア資産の再利用に関する新機能を多く盛り込んだという。

 また新版には、統合グラフィックパネルを使った仮想プロトタイプ機能が搭載されている。この仮想プロトタイプによって、開発サイクルの初期段階においても、ユーザーモックアップのイメージで、検証を行えるようになった。

 さらに2008年夏には、Eclipseのオープンソース開発環境にTelelogic Rhapsodyを統合したバージョンをリリースする予定であるという。一般に広く利用されているEclipseのプラグインとして同製品の機能が提供されるため、使い慣れたEclipseの環境からも、MDDのメリットを有効に活用することができるようになるとのこと。

 なお、Telelogicは2007年6月に米IBMによる買収が発表され、現在は社名ロゴも「Telelogic An IBM Company」となっている。現在のプロダクトは、IBMのRational Software部門に組み込まれているが、今後どのようにプロダクトが統合されていくのかは明らかにされていない。

 この問題に関して日本テレロジック 代表取締役社長の大坂稔氏は、「当社のカスタマーファーストのポリシーは、今後も変わらないことを約束する。現在提供しているすべてのプロダクトは今後も継続してサポートしていく」とコミット。さらに大坂氏は「IBMとはいい関係で話し合いができている」として、現在も統合へ向けて積極的に取り組んでいる最中であることを明らかにした。Rational Software部門にはTelelogicのプロダクトと競合していた製品もあることから、今後どのようにプロダクトが統合されていくのか、動向が注目される。



URL
  日本テレロジック株式会社
  http://www.telelogic.co.jp/

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( 北原 静香 )
2008/05/14 17:48

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