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ファルコンストア、中小規模向けの仮想テープライブラリ構築用ソフト

重複除外技術も利用可能、ソフトバンクBBと共同で展開

重複除外技術の概要

ファルコンストアの吉政忠志営業部長
 米FalconStor Software、ファルコンストア・ジャパン株式会社(以下、ファルコンストア)は5月22日、ソフトバンクBB株式会社と、中小規模向け仮想テープライブラリ構築用ソフトウェア「VTL-S」「VTL-V」の、国内流通市場における独占販売契約を締結したと発表した。流通にかかわる部分だけでなく、リセラーを支援するためのサポート、トレーニングなどについても共同で取り組むという。

 ファルコンストアは、仮想テープライブラリを構築するためのソフトウェア「Virtual Tape Library(VTL)」製品群などを展開しているベンダー。VTLを利用することで、ユーザーは、データセンターなどに多数存在するテープシステムの統合を行えるほか、重複排除(Dedupulication)機能を利用すると、バックアップデータの効率化も実現する。この重複除外機能とは、文字通り、データの重複を排除する機能のこと。保存するデータを小さなパーツに分解し、重複するパーツのバックアップは省略されるため、「バックアップ容量を1/10~1/38程度に小さくすることができる」(ファルコンストアの吉政忠志営業部長)という。

 ただしこうした技術は、昨今ではさまざま見られるようになったため、ファルコンストアだけが提供できるわけではない。これについて、同社の森本雅之技術部長は、「他社では、単純にデータを先頭から末尾まで細かく切ってチェックするだけだが、当社は、利用しているテープのフォーマットを認識した上で、格納されているファイルを認識し、本当のデータ(コンテンツ)部分だけを重複除外できる。これによって、より効率的で高速な重複除外が可能になっているが、これができるのは当社だけだ」と説明し、同社の優位性を強調した。

 今回提供されるのは、VTL製品群のうち、特に中小企業や大企業の部門利用などを対象とした製品。VMwareベースのVTL-Vと、LinuxベースのVTL-Sがラインアップされる。いずれも、重複除外機能とリモートテープレプリケーション機能を搭載し、バックアップ環境の統合などに威力を発揮するという。吉政営業部長は、新製品が持つ意味について、「本来、重複除外機能は価格が高く、利用したくとも、ユーザーはなかなか購入できなかった。当社の製品は、ハードウェアを入れても安価だ」とアピール。「使いたくても使えなかった層をターゲットに、低価格のVTLを販売していきたい」とも述べた。


ソフトバンクBBのC&S統括 CP事業本部 MD第2統括部 菅野信義統括部長
 製品の提供は、6月1日より開始される予定で、ファルコンストアとソフトバンクBBでは展開にあたって、サポートセンターを立ち上げ、リセラーやエンドユーザーを対象とした技術サポートを提供する計画。また、VTL製品のトレーニングコースや特別販売支援プログラムを共同運営する。ソフトバンクBBのC&S統括 CP事業本部 MD第2統括部 菅野信義統括部長は、「スムーズな製品の供給はもちろん、リセラーへの啓発活動や、それにまつわるタイムリーな情報配信、トレーニングなどを、ファルコンストアと共同で行っていく」と、今後の施策を説明した。

 価格は、VTL-Vが58万3000円(税別)から、VTL-Sが250万円(同)から、遠隔レプリケーションを可能にするオプションが41万7000円(同)で、いずれも、別途保守料金が必要。ソフトウェアはIAベースのサーバーハードウェアへ導入できるが、ファルコンストアでは、日本HPのサーバー製品を推奨している。



URL
  ファルコンストア・ジャパン株式会社
  http://www.falconstor.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.falconstor.co.jp/news/news_20080522.html
  ソフトバンクBB株式会社
  http://www.softbankbb.co.jp/


( 石井 一志 )
2008/05/22 16:40

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