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インフォメーションワーカービジネス本部 業務執行役員 本部長の横井伸好氏
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マイクロソフト株式会社は5月23日、Office文書のオンライン共有サービス「Office Live Workspace(以下、Workspace)」日本語版の試験運用を同日より開始すると発表した。
Workspaceは、3月6日に正式スタートした「Office Live Small Business(以下、Small Business)」に続く、「Office Live」ブランドの第二弾サービス。Webサイト作成・公開、メール、文書共有、簡易顧客管理といった機能をパッケージしたSmall Businessが、主に個人事業者や10名以下の小規模企業に提供されるのに対し、WorkspaceはOffice製品を使うすべてのユーザーを対象としている。
サービスの内容をひと言でいえば、「Office文書のオンライン共有サービス」。マイクロソフトが用意するオンラインストレージにOffice文書を保存することで、インターネット環境があればどこからでもファイルの共有・閲覧が可能になる。価格は無償で、Windows Live IDを取得してサインインすれば即座に利用できる。
勘違いしないでほしいのは、「Office製品にオンライン共有機能を追加拡張するもので、決してOffice製品そのものをオンラインで無償提供するものではない」(インフォメーションワーカービジネス本部 業務執行役員 本部長の横井伸好氏)ということだ。
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Office製品を拡張して、オンライン共有を実現するWorkspace
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主な機能
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SharePoint Servicesをベースにしている
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「ファイル」タブの中に新しく追加される「Microsoft Office Liveに保存」メニューからアップロード
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ユーザーには、1人当たり500MBのストレージが提供される。Office Word/Excel/PowerPointなどでファイルを作成したら、「ファイル」タブの中に新しく追加される「Microsoft Office Liveに保存」メニューを選択することで、オンライン上にアップロードできる。ローカルに「名前を付けて保存」するのと感覚は変わらない。もちろんWorkspace上からファイルを選択して追加することも可能だ。
ただし、Office Word/Excel/PowerPointから直接保存するには、Workspace上から無償ダウンロードできるアドインプログラムのインストールが必要。
保存したファイルは、Webブラウザを使って閲覧・コメントの追加などが行える。ローカルPCにOffice Word/Excel/PowerPointがインストールされていれば、内容を編集して上書き保存することも可能。そして、共有機能を使うことにより、最大100人でのファイル共有が実現する。
共有する方法は、Workspace内で「ワークスペース」を作成し、共有したいユーザーにメールを送って招待するだけ。ただしグループ招待機能は搭載していないので、1人1人にメールを送る必要がある。ワークスペースは「仕事」「家族」「学校」など任意に作成できる。これにより、さまざまなグループで異なる文書群を共有することが可能だ。
メールを送って招待する際に「編集」「閲覧」のいずれかの権限を付与することも可能なため、簡単にアクセス制限が行える。なお「閲覧」しか行わない場合は、ローカルPCにOffice製品がインストールされている必要もないという。
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Workspaceのメイン画面。メニューは大きく、自分だけの「マイワークスペース」と共有のための「共有」のみ。シンプルな構成となっている
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Office文書のプレビュー画面。「閲覧」だけならOffice製品も必要ない
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ワークスペースは目的に応じて複数作成できる
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ファイル共有を行うと煩雑になりやすいのがファイルの世代管理だが、Workspaceなら問題ない。標準でファイルのバージョン管理機能が搭載されており、ファイルの変更履歴を逐一保存できるほか、誰かが万が一、間違って上書きしてしまった場合も、容易に以前のバージョンに戻すことができる。最大で8世代前まで復元可能とのこと。通知機能も備え、ファイルに変更が加えられると自動で管理者に通知してくれる。さらに「Microsoft SharedView」を別途インストールすることで、複数人による同時編集・加工にも対応するという。
そのほか、Office Outlook 2003/2007との連携機能も搭載。Workspaceとの間で「連絡先」「仕事」「予定表」を同期させることができる。例えば、Workspaceに搭載されている「簡易リスト作成機能」を使って、スケジュール表を作り、「Outlookに接続する」ボタンを押せば、それだけでOffice Outlook 2003/2007の予定表にスケジュールを追加することができる。セキュリティ面では、「Forefront Security for SharePoint」によるウイルス対策機能などを標準搭載している。
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簡単なリストを作成する機能も備える
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Outlookには通常の予定表とWorkspace用の予定表が並列表示される
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動作OSとしては、Windows Vista/XP/2003 Serverのほか、Mac OS X 10.2.xにも対応。対応ブラウザは、Internet Explorer 6.0以降かFirefox 2.0。肝心のOfficeの対応バージョンは、Office XP/2003/2007。Mac版OfficeやWindows Mobile版Officeには対応していない。
■ URL
マイクロソフト株式会社
http://www.microsoft.com/japan/
Office Live Workspace
http://workspace.officelive.com/
プレスリリース
https://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3443
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( 川島 弘之 )
2008/05/23 16:46
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