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マジックソフトウェア、RIA開発環境「Magicリッチクライアント」


 イスラエルに本社を置くマジックソフトウェア・エンタープライゼスの100%子会社であるマジックソフトウェア・ジャパン株式会社(以下、マジックソフトウェア)は5月28日、同社のRIA(リッチ・インターネット・アプリケーション)の開発フレームワークである「Magic eDeveloper V10」の新機能、「Magicリッチクライアント」を発表した。出荷は6月16日からだが、受注受付は同日より開始する。

 RIAは高い表現力や操作性を実現しつつ、配布などの問題を解決できるアプリケーションであり、今後の主流となっていくことが予想されている。しかし、クライアント側とサーバー側に処理が分かれることから、通信や制御の煩雑化、ロジックの複雑性、何らかの不具合が発生した場合の分析の難しさなどRIAの実現にはさまざまな問題がある。これらの問題を解決するためマジックソフトウェアでは、リポジトリをベースとした開発手法と、初心者でもわかり易いGUIベースの開発環境を提供するMagic eDeveloper V10および、Magicリッチクライアントを提供している。

 通信・同期制御といったWebアプリケーション開発の煩雑さや、プログラムロジックの複雑性などを隠蔽して自動化することで、既存のクライアント/サーバー型のプログラムからRIAへの移行も容易になるとして、主にSMBの分野でシェアを拡大している。また、Webブラウザ未使用でも実行可能なプログラムを作成できることから、Webブラウザの種別やバージョンに依存しないRIAを実現できる。


イベント指向のロジック定義画面。クライアント側とサーバー側のロジックが一元的に定義可能(赤い部分がサーバー側のロジック) データの定義は宣言型

WYSIWYGのフォームエディタによる画面設計 Magicリッチクライアントで開発されたRIAの実行画面。VBなどで作られた既存のクライアント/サーバー型アプリケーションと同等の操作性を容易に実現できる

代表取締役社長の石垣清親氏
 その他にもMagicリッチクライアントでは、アプリケーションの配布の自動化、通信の暗号化などのセキュリティ機能、複数のMagicサーバーによるロードバランシング、マルチデータベース対応など、RIAによるビジネスアプリケーションの開発に必要な機能を備えている。

 なお、今回発表されたMagicリッチクライアントは1stフェーズと呼ばれるJavaベースの製品であるが、来年の第1四半期に向けて、2ndフェーズと呼ばれる.NETベースのMagicリッチクライアントを開発中であるという。

 「日本国内にも2万5千社ほどの企業がユーザーがいる」と語る同社代表取締役社長の石垣清親氏は、「Magic eDeveloper自体も開発はイスラエルで行われている。しかし、ユーザーからの要望をすばやく実現するため、日本国内にも研究開発チームを配置し、実際にコードレベルでの修正などをおこなうことができる体制にある」としている。

 また、オープン価格としながらも、1ライセンスはほぼ3万円前後(ライセンス数が増えれば、さらにディスカウントされる)という低価格を実現している。これも多くの企業に支持されるポイントといえるだろう。



URL
  マジックソフトウェア・ジャパン株式会社
  http://www.magicsoftware.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.magicsoftware.co.jp/news/press/080528press.html


( 北原 静香 )
2008/05/28 18:10

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