日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は5月30日、総合品質保証管理ソリューション「HP Quality Center」の1つである、アプリケーション機能テストツールの新版「HP QuickTest Professional(以下、QTP) 9.5」を発表した。6月2日より出荷を開始する。なお同製品は、旧Mercury製品「WinRunner」の後継製品となる。
QTP 9.5は、アプリケーションの画面操作における不具合をチェックするブラックボックス・テストツール。Windows対応のアプリケーションに対して自動でテストスクリプトを作成し、自動でテストが実行できる。新版では主に、一度生成したテストスクリプトの“再利用性”を高める新機能が追加された。
一般的にアプリケーションの機能テストを行う際は、テストスクリプトに正しい動作が行われているかを確認する「チェックポイント」を設定する。従来の製品では、この設定を都度行う必要があったが、QTP 9.5では、この手間をなくすため、チェックポイントを「オブジェクトレポジトリ」に登録できるようにした。これにより、テストスクリプトの再利用が容易になり、テスト効率が向上するという。
しかし再利用できたとしても、アプリケーションに度重なる変更が加えられていると、以前に記録された内容と一致せず、テストがエラー終了してしまうことがある。こうした場合、テストスクリプトをメンテナンスする必要があるわけだが、「これには手間がかかり、テスト工数全体の50%以上をこのメンテナンス作業が占めることもある」(日本HP)という。そこでQTP 9.5では、新規に「メンテナンス実行モード」を搭載し、手間を削減できるようにした。具体的には、テストスクリプトとオブジェクトレポジトリの間に矛盾を検知した場合に、テストを一時停止して修正手順を対話式に提示、その場での修正を支援してくれる。
テストスクリプトの理解・修正を容易にする情報ペインも追加された。テストスクリプトの構造を直感的に理解できる「テストフローペイン」、テストスクリプトに付加できる関数などのリソース管理を容易にする「リソースペイン」、リソースペインから利用可能なテストオブジェクトをドラッグ&ドロップで簡単にテストスクリプトに反映できる「キーワードペイン」などが追加されている。
また、テストを実行する際のベストプラクティスを案内してくれる「プロセスガイダンス機能」も搭載した。テストツールを使ってテストを行う場合、その操作方法だけでなく、最適な結果を得るためのテストノウハウが必要となる。同機能では、こうしたノウハウまで案内してくれるため、初心者でも効率的にテストが行えるとしている。
そのほか、独自開発のWebアプリケーションのコントロールを記録・再生できる「Webエクステンシビリティ機能」も搭載。独自に開発され、複雑な画面操作ロジックを採用しているWebアプリケーションに対しても、ツール側で構造を解釈してスムーズにテストが行えるようになる。
価格は、134万4000円から。
■ URL
日本ヒューレット・パッカード株式会社
http://www.hp.com/jp/
ニュースリリース
http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2008/fy08-114.html
( 川島 弘之 )
2008/05/30 17:26
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