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シーメンスPLMソフトウェア、柔軟性や協調性を強化したデジタル製品開発ソフト新版


Siemens PLM Software アジア太平洋地域 マーケティング・ディレクター ディーター・クリンケ氏

シーメンスPLMソフトウェア 代表取締役社長 三澤一文氏
 シーメンス プロダクトライフサイクルマネジメント ソフトウェアJP株式会社(以下、シーメンスPLMソフトウェア)は6月12日、デジタル製品開発ソフトウェアの新バージョンである「NX 6」を発表した。

 発表にあわせて来日したSiemens PLM Software アジア太平洋地域 マーケティング・ディレクターであるディーター・クリンケ氏は、「シンクロナス・テクノロジに基づく機能を搭載した新しいNX 6は、デザインに自由をもたらすツール」と述べ、設計、シミュレーション(解析)、製造の各機能が大幅に強化されたことを明らかにした。

 さらに、シーメンスPLMソフトウェア 代表取締役社長 三澤一文氏は、「日本企業の“ものづくり力”は高いが、これからは洗練された“ものづくり経営力”が求められることになる。NX 6は技術者の創発力を最大限に引き出せるシステムだ」と述べ、設計生産性において効果をもたらすNX 6の優位性を強調。さらに三澤氏は、「日本企業のものづくりは改革の時期にきている。このままでは、中国やベトナムなどものづくりの新興国に追いつかれてしまう。技術者の創発力を引き出す仕組みが重要になる」とも語っている。

 NX 6の特徴は、「柔軟性」「強靭(きょうじん)性」「協調性」「生産性」という4つの主要な分野でイノベーションが存在する点。具体的に各項目を見ると、柔軟性では、モデル生成において簡単なダイレクト・エディティングを可能にするシンクロナス・テクノロジを実装し、「設計の自由」という新しい柔軟性を提供。ダイレクト・モデリングと高速駆動技術のベストな機能を組み合わせたことによって、製品設計の体感速度が高速化する。

 また強靱性では、ライフサイクル・シミュレーションに対するシーメンスPLMソフトウェアのビジョンに基づき、PLM全体を通してシミュレーション(CAE)を活用する。特にNX 6には、高度なCAE解析の専門家や設計者のニーズを満たす、強力な複合領域シミュレーションのためのソリューションが用意されている。

 3つ目の協調性では、統合プロセス環境を提供し、コラボレーティブな製品開発を促進することができる。フィーチャ・ベースのマシニングなどプロセスの効率性を向上させ、製造のサイクルタイムを約20%短縮するという。

 最後の生産性では、「スクラップブック・モデリング」など再利用(リユース)を促進する機能を大幅に強化した。これによってサイクルタイムを40%改善し、エンジニアや設計者の生産性を向上させる。また、設計、解析、製造の各プロセスを通してマルチCADデータを利用できるため、情報を再構築することなく、解析時間やマシニング時間を短縮することが可能とした。

 なお、NX 6の販売は、米国で6月30日に開始されることから、日本での展開はそれ以降になる見込みである。



URL
  シーメンス プロダクトライフサイクルマネジメント ソフトウェアJP株式会社
  http://www.ugs.jp/
  ニュースリリース(日本語抄訳)
  http://www.ugs.jp/news/2008/08_05_21.html


( 北原 静香 )
2008/06/12 18:35

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