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オラクルとシティバンク、グローバル企業向け資金管理分野で業務連携

業務アプリから資金移動・支払処理が可能に

 日本オラクル株式会社(以下、オラクル)とシティバンク銀行株式会社(以下、シティバンク)は6月17日、5月に発表したグローバルキャッシュマネジメント分野での連携に関して、記者向けの説明会を開催した。

 両社の連携で実現したのが、業務アプリケーションから銀行決済を含む決済業務のグローバルでの一元化。オラクルのグローバルキャッシュマネジメントシステム「Oracle Global Cash Management System(以下、Oracle GCMS)」と、シティバンクの法人向けインターネットバンキングサービス「CitiDirect」およびファイル伝送システム「Citi File Xchange」を連携。これにより、Oracle GCMS上で資金移動や支払処理の指示入力を行うことで、シティバンクのグローバルなネットワークを経由して実際の資金移動・決済が行える。


Oracle GCMSのカバー範囲。今回の連携により実際の資金移動・支払処理も可能になった Oracle BPEL Manager経由で事業会社と金融統括会社を連結。SOAベースであるため、レガシーシステムや他社システムとの連携も可能 今回の連携により、各国の支払指図フォーマットを検証

シティバンク グローバル・トランザクション・サービス本部 トレジャリー・アンド・トレード・ソリューションズ部 部長の副島弘行氏
 シティバンク グローバル・トランザクション・サービス本部 トレジャリー・アンド・トレード・ソリューションズ部 部長の副島弘行氏は、「グローバル展開している企業にとって、事業展開している各国での金融収支の改善は重要な課題。グローバルキャッシュマネジメントは、各国に散在する資金を一元管理することで、有利子負債の削減、運用効率の向上、バランスシートのスリム化を実現できる。また、各国間での資金のやりとりを減らすことで支払手数料の削減も可能。そのほか、事務リスクやカントリーリスクの削減にも有効」と、海外展開する企業にとって、グローバルキャッシュマネジメントが非常に重要であると説明。「最近では、日本版SOX法により、海外での資金の流れをいかに把握するかが重要になっている。こうした問題への解決策として、多くの企業の注目を集めている」と、グローバル企業の関心が高まっている分野であると述べた。


オラクル 製品戦略統括本部アプリケーションビジネス推進部 部長の塚越秀吉氏
 オラクル 製品戦略統括本部アプリケーションビジネス推進部 部長の塚越秀吉氏は、「Oracle GCMSは、グローバル展開する企業の資金を集中管理することにより、グループ間の資金決済に関わる手数料の削減、不要な手持ち資金の削減を実現するシステム。ただし、カバーできるのは業務アプリケーションの中だけで、実際の資金移動といった外部サービスまではカバーできていなかった。今回、シティバンクと連携することで、決済銀行との連携を実現したのが最大の特長」と説明。「今回、全世界で展開しているシティバンクのネットワークを組み合わせたメリットは大きい」とした。

 「多くの企業は国内で取引のある銀行があるので、シティバンクに切り替えるのは難しいだろうが、海外の事業所に関しては別。各国にネットワークを持つシティバンクを利用して、資金を一元管理できるメリットは大きいだろう。われわれとしては、まず海外での取引を確保し、次のフェーズで国内での取引にもつなげたい」(シティバンク・副島氏)と述べた。



URL
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/
  シティバンク銀行株式会社
  http://www.citibank.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1857

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  ・ 日本オラクル、グループ企業の資金や取引を集中管理するキャッシュ管理システム(2007/09/25)


( 福浦 一広 )
2008/06/17 16:29

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