ヴイエムウェア株式会社は6月18日、エンタープライズデスクトップ向け仮想化製品に関する説明会を開催。仮想デスクトップソリューション「VMware Virtual Desktop Infrastructure(以下、VDI)」の特長のほか、他社製品との差別点などが紹介された。
VDIは、同社のサーバー仮想化スイートである「VMware Infrastructure 3(以下、VI 3)」をベースに開発されたデスクトップ向けの仮想化ソリューション。仮想デスクトップを実行するVI 3のほか、仮想デスクトップへのコネクションを提供する「VMware Virtual Desktop Manager(以下、VDM)」、管理製品である「Virtual Center」で構成される。
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専用クライアントを用いてVDMに接続した様子。利用可能なデスクトップが一覧表示される
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VDIの構成要素のひとつであるVDMの最新版「VDM 2.1」では、クラスタあたり最大5000までの同時接続をサポート。また、複数のクラスタを利用することで数万規模のデスクトップ接続にも対応している。そのほか、日本語クライアントへのGUIの提供など、多言語対応も行われている。
VDM 2.1で用意されている「スマートプール」は、プール内の仮想デスクトップを同じテンプレートを用いて短期間で作成する機能。仮想デスクトップはクローン作成により短期間で作成できるため、現在稼働している仮想デスクトップのほかに待機用の仮想デスクトップを1台用意しておくことで、常に仮想デスクトップが利用できる。また、最小・最大仮想マシン数や常に利用可能な仮想マシン数といった条件設定にも対応している。
そのほか、コールセンターなど一時的に仮想デスクトップを利用するユーザーに最適な「ノンパーシステントプール」、初回ログイン時に個別のデスクトップをアサインする「パーシステントプール」といった機能も用意されている。
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VDIの概要。VDMはサーバー上の仮想デスクトップへのコネクション機能を提供
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VDMの主な機能
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仮想デスクトップの利用は、個別割当のほか、仮想マシンプールを用いた接続が可能
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ストラテジックアライアンス テクニカルアライアンスマネージャの名倉丈雄氏
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同社ストラテジックアライアンス テクニカルアライアンスマネージャの名倉丈雄氏は、「調査会社によると、仮想マシンを使ったシンクライアント市場は、2011年には11億ドル規模にまで成長すると予測されている。実際、仮想サーバーを導入した企業が、デスクトップ環境の仮想化にも関心を示す傾向も出てきている」と、サーバーの仮想化に続き、仮想デスクトップへの関心が高まっていると紹介。「仮想デスクトップのメリットは、サーバーで集中管理できることと、リソースを最適化できること。また、個々のユーザーに固有のデスクトップ環境を与えることも一時的な利用にとどめることも容易にできる」と、仮想化によるシンクライアントのメリットを説明した。
「シトリックスもXenDesktopをリリースしているが、基盤となるVMware Infrastructure 3とXenServerを比べれば、安定性・スケーラビリティでわれわれの製品の信頼性は高い。また、ICAとRDPのパフォーマンスの話も聞かれるが、RDPも改良されておりLAN環境においてはほぼ同じ程度のパフォーマンスを実現している」(名倉氏)と、他社製品と比べて、基盤技術の優位性を強調した。
参考価格は、VDIが同時使用ユーザーあたり約1万9400円、VDMが同時使用ユーザーあたり約6500円。
■ URL
ヴイエムウェア株式会社
http://www.vmware.com/jp/
プレスリリース
http://www.vmware.com/jp/company/news/releases/vdm_21_ga.html
( 福浦 一広 )
2008/06/18 15:20
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