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SAS、「誰が何をしたか」に着目したWebマーケティング支援ツール

行動を顧客情報とひも付けて最適なマーケティングを支援

ビジネス開発本部 CIビジネス開発部 高橋昌樹部長

顧客に関する総合的な知見を提供できる

SAS Customer Intelligence Suiteとの連携で、トータルなカスタマーマーケティングが実現する
 SAS Institute Japan株式会社(SAS)は6月23日、Webマーケティングの支援ツール「SAS Customer Experience Analytics(CXA)」を発表した。7月1日より出荷を開始する。

 SAS CXAは、Web上での顧客の行動データを、収集・分析するためのツール。オンラインチャネルの重要性が高まっている昨今では、企業はWebアクセスのログを取得・解析して顧客の動向を探ろうとしてきた。しかし、ビジネス開発本部 CIビジネス開発部 高橋昌樹部長は、「ほとんどがWebページの分析であり、『誰が』という観点が抜けている」と指摘。「人」に着目することではじめて、エンドユーザーの体験を的確に把握できるようになり、その結果、適切なサービスを提供できると主張する。

 こうした視点から開発されたSAS CXAでは、エンドユーザーがWeb上で行ったクリック、ダブルクリック、フォームへの入力などはもちろん、カーソルがどこを通過してどこへ移動したか、といったことまでも取得可能。また、顧客マスターや取引履歴データと収集したデータの連携も容易に行えるため、“誰が”どういった行動をしたか、というデータを蓄積できる。この際エンドユーザーが、eコマースサイトなど、Webサイト提供者のサービスに登録していなかったとしても、過去の購買履歴があれば、フォーム情報などへ入力された言葉からマッチングさせることも可能。さらに、行動特性によってどのようなユーザーなのかという推定も行えるという。

 Webサイト提供者は、こうした「人」に着目した視点から、Webサイトが適切に機能しているかという分析を行ったり、個々のユーザーの特性を判断して適切なプロモーションを提供したり、といったより深いマーケティング活動が可能になる。

 また、「普通はデータを取得する仕組みと活用する仕組みは別で、どうインテグレートするかというのも課題になるが、当社ではテンプレートを提供しており、最短1カ月の早期導入が可能」(高橋部長)という特徴もある。ここでは、ETLプロセスのテンプレートは80以上を提供するほか、Information Mapも30以上を提供。工数の大幅な削減を実現する。さらに導入・運用面では、「ログを取得したいWebサイトに、わずか1行のタグを挿入するだけでいい」ということを大きな優位性として挙げた高橋部長は、「他社製ツールでは導入に大変な開発が必要だし、メンテナンスも大変だ」と述べた。

 なおSASでは、CRMで必要とされる分析機能を統合した「SAS Customer Intelligence Suite」を提供しているが、SAS CXAはこのソリューションのオンライン部分を補完する役目を担うとのこと。個別での導入も可能ではあるが、エンドユーザーの体験を集めて改善する総合ソリューションとしての活用が、もっとも価値が高くなるとしている。

 価格は、ログを取得するWebサイトの月別セッション数によって変わり、50万~100万セッション/月の最小構成価格で初年度3000万円程度からになる見込み。



URL
  SAS Institute Japan株式会社
  http://www.sas.com/japan/

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( 石井 一志 )
2008/06/23 16:29

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