エス・ピー・エス・エス株式会社(以下、SPSS)は7月23日、統計解析ソフトの新版「SPSS Statistics 17.0」の出荷を9月から開始すると発表した。
SPSS Statisticsは、顧客の購買行動や履歴から優良顧客のセグメンテーションなどを行う、RFM分析などが行える統計解析ソフト。新版では、複雑なRFM分析を単純化するアドオンモジュール「SPSS EZ RFM」が追加されたほか、Microsoft Office製品との連携性向上によるレポート機能の強化、欠損値の補完機能、分析のための準備時間を短縮するコードブックの自動作成機能の追加などが図られた。さらに、分析資産管理の最適化・自動化を支援するプロセス構築ソリューション「SPSS Predictive Enterprise Services(以下、SPSS PES)」との連携によって、企業全体にわたるデータ分析環境が構築できるようになっている。
SPSS EZ RFMでは、RFM分析において詳しい統計の知識がなくとも明確な洞察を可能にし、一般ユーザーやビギナーでも簡単に分析が行えるという。一方、上級者や研究者向けには、調査研究のためのデータセットを記述したコードブックを自動作成する機能により、準備時間の短縮を可能にした。
レポートやプレゼンテーションの作成に際しては、Microsoft Office製品へのエクスポートオプションが活用できる。このオプションは、エクスポート時にテーブルの折り返しや縮小を制御してMicrosoft Office製品に配置するもの。SPSS StatisticsテーブルをMicrosoft Office製品向けに手動でフォーマットする必要がないため、レポートやプレゼンテーションの作成を効率的に行えるという。
またSPSS PESとの連携により、分析用資産の管理、分析プロセスの自動化、結果伝達の効率化を可能とし、組織にわたった分析環境を実現。既存のデータマイニングソフト「Clementine」など複数のSPSSファミリ製品を使用している企業では、それぞれの分析ツールで一貫性のある結果が得られるようにもなるという。
製品ラインアップとしては、Windows、Mac OS X、Linuxに対応した3種類を用意。価格は、各OS版ともに基本モジュールである「SPSS Statistics Base」単体で、一般企業向けが17万7450円、教育機関向けが10万2900円。
SPSSでは、初年度30億円の売り上げをめざす。
■ URL
エス・ピー・エス・エス株式会社
http://www.spss.co.jp/
プレスリリース
http://www.spss.co.jp/company/press2008/press20080723.html
( 川島 弘之 )
2008/07/23 15:12
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