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日本オラクル、多拠点サプライチェーンの統合可視化ツール
製造業の“不確実性”を抑制
製品戦略統括本部 アプリケーションビジネス推進本部 シニアディレクターの岡田行秀氏
計画プロセス全体を管理・統制するOracle APCC
製品アーキテクチャ
日本オラクル株式会社は8月25日、製造業のサプライチェーン責任者向け情報可視化ツール「Oracle Advanced Planning Command Center(以下、Oracle APCC)」を発表した。同日から提供を開始する。
Oracle APCCは、サプライチェーンの計画と進ちょく状況を把握し、迅速な意思決定を支援するソフト製品。ERPやSCMなどから得られる工場の生産ラインの稼働率や資材・部品の調達状況、在庫情報、需給情報を統合し、一覧画面で表示することが可能になる。
製造計画を行う「Oracle Advanced Supply Chain Planning」、資材調達における供給網の最適化を行う「Oracle Strategic Network Optimization」、最適な在庫管理を行う「Oracle Inventory Optimization」、製品の需要を予測・計画・管理する「Oracle Demantra」などの、一連のサプライチェーン計画アプリケーションを統括する司令塔となる製品。グローバルに分散された製造拠点から過去・現在のさまざまな情報を収集し、ビジネスシナリオを計画立案、問題発生時に再度計画をやり直す連携機能を備えている。
「従来、拠点設計・生産計画・需要計画・生産スケジュール・在庫管理・配送計画などはそれぞれ分断されており、ここから統合的に意思決定を行うためには、手作業で情報のマージを行う必要があった。Oracle APCCでは、グローバル単位で自動的にこうした情報を統合できるのがメリット」(製品戦略統括本部 アプリケーションビジネス推進本部 シニアディレクターの岡田行秀氏)。
製品構成としては、ERPやSCMなどからデータ収集を行う「APSデータモデル」を中核に、エグゼクティブ向けの「セールス&オペレーション計画ダッシュボード」と計画者向けの「サプライチェーン・アナリスト・ダッシュボード」が提供される。収集データや計画データを格納するAPSデータモデルでは、オープンアーキテクチャを採用するため、他社製品のERPや独自開発のシステムなども情報ソースとして利用できる点もメリットとしている。
また、マクロ・ミクロの分析に対応する100以上のレポートテンプレートや、基本的なKPIセットが標準で提供されるため、速やかな導入と実装が可能という。
画面例。過去のフォーキャストとの比較、在庫推移予測、過負荷工程と余剰能力工程のリストアップなどが可能。問題発生時に最善の解決策をWHAT IF分析(シミュレーション)することができる
エグゼクティブレベルの分析を可能とするダッシュボード
計画者が計画の状況を把握するダッシュボード。過去と現在で、多彩なKPIを比較分析できる
製品戦略統括本部 アプリケーションビジネス推進本部長の塚越秀吉氏
製品戦略統括本部 アプリケーションビジネス推進本部長の塚越秀吉氏は、「製造業のグローバルオペレーション化に伴い、ビジネスリスクはますます増大。90年代半ばに“安全在庫”を実現するものとして登場したSCMは、より高い制御性や複雑化するビジネスに対応するため、今では“不確実性抑制”が重要なテーマとなっている。この抑制を実現するためには、“可視化”や“計画の最適化”、次の処理に連携していく“リアルタイム連携”の3点が重要。Oracle APCCはWHAT IFの未来分析を可能とすることで、限りなく不確実性を抑えることが可能になっている」とアピールした。
価格は、ダッシュボード、テンプレート、データモデルを含み、ライセンスのみで2000万円(税別)から。製造・販売ボリュームに応じた従量課金制となる。現状、英語版のみでローカライズは未定。理由は「グローバル拠点でデータをやり取りする製品のため」(岡田氏)としている。
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URL
日本オラクル株式会社
http://www.oracle.co.jp/
ニュースリリース
http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1898
( 川島 弘之 )
2008/08/25 16:39
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