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EMC、リッチなUIを採用した企業向けコンテンツ管理製品「Documentum」新版


 EMCジャパン株式会社は9月3日、ECM(Enterprise Contents Management)プラットフォームの最新版「EMC Documentum 6.5」を発表した。同日より順次出荷を開始する。

 Documentumは、Office文書やWebコンテンツ、マルチメディアデータ、メールなど企業内の非構造化データを一元的に管理できる企業向けコンテンツ管理製品。バージョン管理、アクセス管理、チェックイン・チェックアウトなどのコンテンツ管理機能を用意。また、複数の文書を仮想的にひとつの文書に統合できるバーチャルドキュメント機能、透かしや署名などを付加したPDFファイルへの変換機能なども用意されている。そのほか、ワークフロー機能も用意されており、ビジネスプロセスを形式化することもできる。


CM&A事業本部 本部長の古根川哲也氏

Documentum 6.5で新たに用意されたアプリケーション

iTunesのカバーフロー風のUIを採用したCenterStage
 最新版では、Web 2.0のユーザーフレンドリーな操作性を取り入れたアプリケーションを強化。同社CM&A事業本部 本部長の古根川哲也氏は、「Documentum 6.5は、前バージョンのDocumentum 6をエンハンスメントした製品。6ではプラットフォームを再構築した。この再構築されたプラットフォームに対して、さまざまなアプリケーションを用意したのが今回の製品」と説明。「Web 2.0ベースのアプリケーションを採用することで、操作性を向上した。これにより、これまでDocumentumを使っていなかった顧客に訴求し、すそ野を広げていく」とした。

 Documentum 6.5で新たに用意されたユーザー向けクライアント「Documentum CenterStage Essentials」は、新たに設計されたUIを採用。共有ワークスペースを用意するなどチーム作業の効率化などが図られている。また、iTunesのカバーフロー風のUIを搭載するなど、視覚的にわかりやすいデザインとなっている。CenterStage Essentialsは無償で提供され、テンプレート対応や個人向けワークスペースなどが用意された有償版のCenterStageも用意される。

 マルチメディア管理機能としては、「Documentum Media WorkSpace」を用意。Flexベースで構築されており、リッチなUIを実現しているのが特長。見やすいプレビュー、動的な表示といった直感的なUIのほか、コンテンツの検索・比較・コメント付け・レビューといった機能が用意されている。

 クライアントPCのデスクトップと統合されたコンテンツ管理用クライアント「My Documentum」も新しく用意された製品。My Documentumは、WindowsのエクスプローラやMacのFinderなどと統合されたコンテンツ管理クライアントで、オンライン・オフラインでも利用できるのが特長。

 そのほか、画面デザインのカスタマイズが可能になるなど機能強化された「Documentum TaskSpace」なども用意されている。

 バックエンド側では、大量のコンテンツを高速で処理できる「Documentum High-Volume Server」、Documentumでないリポジトリに存在する情報の保管ポリシーも管理できる「Documentum Federated Records Services」といった新製品が用意されている。

 ユーザーライセンスで提供され、参考価格は8万円/ユーザー。同社では、今後1年で100セットの販売を目標としている。


常務執行役員パートナー事業本部長 兼 ビジネス計画担当 兼 ソフトウェア担当のロバート・スティーブンソン氏
 同社常務執行役員パートナー事業本部長 兼 ビジネス計画担当 兼 ソフトウェア担当のロバート・スティーブンソン氏は、「企業のコンプライアンス対応といった流れの中で、Documentumに対する関心が日本市場でも高まっている。また、企業の海外展開などに伴い、社内外で安全に文書を共有したいといったニーズも生まれている。こうした追い風などにより、Documentumに対する市場ニーズが高まっており、新しいUIを採用したDocumentum 6.5で開拓していきたい」と、コンプライアンスへの関心の高まりを追い風に積極的に展開する考えを示した。

 「部門レベルで使われているSharePointとよく比較されるが、社外と安全に文書共有ができるなど、機能面では大きく異なっている。実際、Documentumを業界標準として利用している製薬業界でもSharePointとDocumentumを並行して使っている例も多い。われわれとしては、SharePointでは実現できない高度な文書共有を打ち出すことで、SharePointなどを利用している企業に対してDocumentumを使うメリットなどを提案していきたい」(古根川氏)と、幅広い分野での採用を狙っていくとした。



URL
  EMCジャパン株式会社
  http://japan.emc.com/
  ニュースリリース
  http://japan.emc.com/about/news/press/japan/2008/20080903-1.htm


( 福浦 一広 )
2008/09/03 13:41

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