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EMC エコ・レンタルの仕組み
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EMCジャパン 代表取締役社長の諸星俊男氏
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システムごとに異なる見込み排出量を、ツールを利用して簡単に算出できるという
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EMCジャパン株式会社は9月11日、温室効果ガスの排出権を付加したレンタル/リースサービス「EMC エコ・レンタル」プログラムを提供すると発表した。三井住友ファイナンス&リース株式会社(以下、SMFL)との提携によって提供され、同社ストレージ製品を導入する新規案件が対象となる。
EMCジャパンではこれまでも、社内のグローバル・ファイナンシャル・サービス部を通じて、顧客にリースサービスを提供してきた。同社のリースは、ストレージなどのリース物件残価を設定することで、購入するよりも安価にリースできる「オペレーティングリース」、支払いの開始を一定期間据え置くプログラム、従量課金制のプログラムなど、ベンダー自身が手掛けるリースならではの付加価値がある。そのため、「当社の国内ストレージビジネスでは、約半数が利用しているほど」(EMCジャパン グローバル・ファイナンシャル・サービス部の小川哲也部長)という。
一方、グリーン対応という点では、製品自身のエネルギー消費を効率化しているほか、圧縮や重複除外、ストレージ階層化、仮想化といった顧客システムの最適化に関する提案を行うなど、消費電力削減に対して各種取り組みを行ってきた。こうした取り組みは今後も続けていくというが、「さらに一歩進んで、トータルで増えないようにするにはどうしたらいいか」(EMCジャパン 代表取締役社長の諸星俊男氏)という点を考慮して、今回のEMC エコ・レンタルを、世界で初めて導入するとした。
このプログラムでは、EMCレンタル契約で利用するEMCストレージ製品に排出権を割り当て、それらの製品が排出する量に相当する温室効果ガスを、実質ゼロ(ニュートラル)にする。手順としては、まず導入するストレージの構成を決め、それらが排出するガスの量を、「Power Calculator」ツールによって算定。EMC エコ・レンタル契約の締結後、SMFLが保有する認証排出権(CER)を、EMC製品に割り当て、排出量を実質ゼロにする仕組み。このメリットについて小川部長は、「通常大口売買が主流の排出権を、契約単位・システム単位で得られる。また、個別では非常に煩雑な手続きを省略できる点も大きい」と説明した。
価格は、CERの分が通常のリース価格に上積みされることにはなるが、諸星社長は、「CERの価格は、現状で1tあたり4000円程度とさほど高くはない。将来高騰すれば別だが、この程度ならレンタル価格の方がずっと高額になるため、ディスカウントの中でほとんど吸収できるのではないか」との見通しを話す。また販売目標は、排出権で利益を得るのが目的ではないため、特に定めないものの、「ほとんど値段が変わらないということになれば、ほとんどの顧客が利用するかもしれない」と述べている。
■ URL
EMCジャパン株式会社
http://japan.emc.com/
ニュースリリース
http://japan.emc.com/about/news/press/japan/2008/20080911-1.htm
( 石井 一志 )
2008/09/11 14:03
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