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米ネクサウェブ・テクノロジーズ最高執行責任者(COO)のデイビッド・マクファーレン氏
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日本ネクサウェブ代表取締役社長の藤岡健氏
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日本ネクサウェブ株式会社は9月11日、ITシステムのモダナイゼーションを実現するソリューション「Nexaweb Advance」を提供開始すると発表した。また、これにあわせて、日本市場における中長期的なビジネス戦略についても明らかにした。
「Nexaweb Advance」は、既存のレガシーシステムからRIA(リッチインターネットアプリケーション)を活用した戦略的なITシステムへ移行するモダナイゼーションを、短期間かつ低コストで実現するソリューション。顧客企業がすでに使用している基幹システムをWeb化し、戦略的なIT基盤を構築する。これにより、企業は変化を続けるビジネス環境で競争力を維持するための変化対応能力に優れたIT基盤を確立することが可能となる。
米Nexaweb Technologies、最高執行責任者(COO)のデイビッド・マクファーレン氏は、モダナイゼーション市場の現状について、「企業からのモダナイゼーションへのニーズは非常に高く、ワールドワイドで71億ドルの市場機会があると見ている。その中で当社は毎年、収益倍増を達成し、急成長を続けている。日本市場もこの成長の原動力になっており、日本法人を設立した2005年以降、3年間で日本市場の収益は10倍にまで拡大した。もともと日本市場には、カスタム化されているアプリケーションが欧米に比べて2倍あると見ており、今後も大きな成長に期待している」と述べた。
これを受けて、日本ネクサウェブ、代表取締役社長の藤岡健氏は、「日本におけるモダナイゼーションの市場機会は年間約1000億円あるといわれており、その中で当社が適応できるのは10%、約100億円規模のビジネスチャンスがあると見ている。今回、日本法人設立から3年目を迎え、またNexaweb Advanceの発表を機に、あらためて中長期的なビジネス戦略を策定し、モダナイゼーション関連ビジネスをさらに強化していく」方針を示した。
具体的には、主要な戦略目標として、「基幹システムのWeb化を促進するモダナイゼーション・ビジネスを強化」、「エンタープライズ市場におけるRIA提供ベンダーとしてのリーダーシップを確立」の2点を掲げ、この目標達成に向けた注力分野として、(1)パートナー・ビジネスの拡大、(2)販売支援体制の拡充、(3)製品機能および品質の強化、に取り組んでいく。
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モダナイゼーションの市場機会
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ビジネス戦略目標と重点施策について
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Nexaweb Advanceのビジネスモデル
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パートナー支援プログラムの概要
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販売支援体制の拡充について
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Nexawebの製品構成
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パートナー・ビジネスの拡大では、2009年初頭から「パートナー支援プログラム」を開始する予定。各パートナー企業と技術、販売にともなう連携を強化するとともに、業界別対応を視野に入れ、システム開発フェーズに応じた支援プログラムを提供する。これにより、2011年にはパートナー関連のビジネス規模を10倍に拡大することを目指す。
販売支援体制の拡充については、顧客企業に対するサービスおよびサポートを一層充実させるため、営業体制を強化するとともに、導入支援、不具合対応、トレーニングを行うためのテクニカルエンジニアを増員する。また、マーケティング部門を新設し、企業規模や業界別に即した販売促進活動の推進と、パートナー各社に対してきめ細かい支援が行える体制を整備する。
製品機能および品質の強化としては、日本の顧客企業からの要望やニーズを製品技術に反映させるため、ユーザーやパートナーによるネクサウェブ・アドバイザリー・ボードの設立を促していく。また、日本語環境での動作検証やアプリケーションの最適化を行い、関連した情報を本社開発部門と共有する体制を構築することで、グローバル環境下での製品の品質向上を図る。
今回発表した「Nexaweb Advance」は、こうした日本市場でのモダナイゼーションビジネス強化に向けた戦略的ソリューションとなり、同社のソリューションパートナー各社との協業によって、各業種や顧客企業の要望にあわせカスタマイズして提供していく。
「Nexaweb Advance」の基本的な構成要素は、(1)エンタープライズリッチクライアントWebプラットフォーム「Nexaweb」、(2)柔軟なRIA開発基盤フレームワーク「Reference Framework」、(3)レガシーアプリケーションの最適な変換プロセス「Transformation Process」の3点。「Nexaweb」は、JavaとXMLのオープンテクノロジーを基盤に、UI画面・機能のリッチクライアント化とリアルタイム/非同期通信管理を同時に実現する基幹システム向けRIA統合開発・運用環境。「Reference Framework」は、アプリケーションの開発生産性と品質向上を意識し、既存システムとデータ連携にも柔軟に対応する包括的なRIA開発フレームワークとなっている。
「Transformation Process」は、今回のソリューションで初めて体系化された新たな変換プロセスで、業務プロセスの変更を加味しながら、既存のレガシーアプリケーションからRIAを採用したWebシステムへの移行を実現する。(1)可視化、(2)変換、(3)具体化、(4)稼働、(5)保守の5つのステップで成り立っている。
Nexaweb Technologies、技術担当副社長のロバート・ガニエ氏は、「この変換プロセスでは、まずレガシーのテクノロジーを読み込んで、その資産をドキュメント化することで、アーキテクトや開発者がわかるように可視化する。次のステップで、収集されたドキュメントを活用して、ビジネス要件を反映させながら、レガシーアプリケーションを業務生産性の高いRIAアプリケーションに変換していく。そして、新たに生成されたRIAアプリケーションは、Nexawebのプラットフォーム上で稼働し、リッチなユーザー体験とともに提供される」と説明した。
保守については、クライアントコンフィギュレーションとネットワーク接続の種類にかかわらず、Web集中管理型のコードベースによってユーザーをサポートすることで、アプリケーション保守に要する時間とコストを平均75%削減できるとしている。
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米ネクサウェブ・テクノロジーズ技術担当副社長のロバート・ガニエ氏
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レガシーシステムの変換プロセス
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■ URL
日本ネクサウェブ株式会社
http://dev.nexaweb.com/home/jp/
( 唐沢 正和 )
2008/09/11 18:21
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