ユーザックシステム株式会社(以下、ユーザック)は9月30日、EDI(電子データ交換)統合パッケージの新版「EOS名人 .NET」を発表した。同社のEDIソフトとしては初めて.NET Frameworkに対応したほか、小売業向けの新たなEDI標準「流通ビジネスメッセージ標準(BMS) バージョン1.1」をサポートしているのが特徴という。販売は同日より開始する。
EOS名人は、大手小売業と取引する卸・メーカー向けのオンライン受発注システム。特定の業種や企業に向けた専用ソフトではなく、あらゆる企業に対応できる汎用型のソフトとして開発されている。また、データ訂正や帳票発行など、オンライン業務で必要とされるアプリケーションもそろえてパッケージ化されていることから、EDIの構築費用を抑えられるメリットもあるという。
今回の新版では、流通BMS バージョン1.1で定められた6業務8メッセージのデータレイアウトをあらかじめ搭載。データレイアウトの変更や追加をパラメータ設定のみで行えるデータマッピング機能も備えるため、開発作業を行わなくとも、新規システムとの接続に柔軟に対応できる。実行環境としては、.NET Framework 3.5を採用。通信規格は、インターネットを用いるJX手順をまずサポートし、今後、JCA手順や全銀手順といったレガシーEDIにも対応していく予定という。加えて、内部統制への対応を見据え、利用者認証、操作ログの保存といった機能も追加されている。
ラインアップは、OracleやSQL Server Enterprise Editionなど、商用データベースを用いる大規模向けのサーバー版(Enterprise版)と、SQL Server Express Editionを利用する中小企業向けのクライアント版(Standard版)の2種類を用意した。このうちEnterprise版は、基幹システムを汎用機などからダウンサイジングする大手企業のEDIパッケージでも利用可能とのこと。また両製品とも、倉庫管理システム「物流在庫名人」をはじめとする、ユーザックの業務ソフトとの連携も可能になっている。
なお同社では同製品の発売に伴い、EDIサポートセンターを設置し、小売各社の流通BMSへの取り組み状況、最新仕様といった情報を入手し、一元管理することにより、顧客の流通BMSへの取り組みを支援するとした。
価格は、Enterprise版が120万円(税別)から、Standard版が35万円(同)から。すでに、ヤクルトでの採用も決まっているとのことで、ユーザックでは、初年度に200本の販売を見込んでいる。
■ URL
ユーザックシステム株式会社
http://www.usknet.com/
ニュースリリース
http://www.usknet.com/company/news/2008/0930.htm
( 石井 一志 )
2008/09/30 12:43
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