Enterprise Watch
最新ニュース

NECとエントラスト、多目的認証サーバーと中小向け運用管理ソフトの連携ツールを無償提供


Entrust IdentityGuard ナレッジによる連携の概要

日本語によるエラー情報の提供も、大きなメリットの1つ
 日本電気株式会社(以下、NEC)とエントラストジャパン株式会社(以下、エントラスト)は10月1日、認証セキュリティシステム分野で協業すると発表した。NECの中小規模システム向け運用管理ソフト「WebSAMオフィス」とエントラストジャパンの「Entrust IdentityGuard」を連携させるツール「Entrust IdentityGuard ナレッジ」を共同開発し、両社のWebサイトから無償で提供を開始する。

 Entrust IdentityGuardは、多要素認証を行える認証セキュリティソフト。さまざまな認証方法を組み合わせて、セキュリティの高い認証を行える点が特徴で、全世界で100万人以上のユーザーに利用されている。このように広く使われる製品であるため、エントラスト側でも信頼性には気を配っているというが、それでも100%落ちないというわけにはいかないし、導入されたハードウェア側で障害が起こる可能性もあるため、手軽に利用できる運用監視ツールが求められていたという。

 そこで、両社によって開発されたのが、WebSAMオフィスからEntrust IdentityGuardの稼働状況を監視できるようにする連携ツールのEntrust IdentityGuard ナレッジ。Entrust IdentityGuardを導入したサーバーを監視し、その障害情報をいち早く管理者に通知する機能を備えている。また、Entrust IdentityGuardのサービス稼働状況を監視する機能を備えており、異常発生時には管理者へ通報するほか、復旧作業も、WebSAMオフィスが持つナレッジ機能を利用してワンクリックで行えるという。

 加えて、通常は英語で提供されるEntrust IdentityGuardのエラー情報のうち、クリティカルなものについては分かりやすい日本語で管理者へ通知することが可能。障害時に何を行えばいいのか、という対処方法までを日本語で案内するため、運用者自身が簡単に障害対応を行える点もメリットという。さらに導入は、テンプレートファイルをインポートするだけで簡単に行え、マニュアルに従って十数分操作すると、連携が完了する。

 これまで、Entrust IdentityGuardは大企業を中心に利用されることが多かったが、エントラストではWebSAMオフィスとの連携をサポートすることによって、従来よりも小規模な企業に向けての販売を促進したい考え。一方のNECでは、さなざまなツールとの連携によってWebSAMシリーズの導入を促進する施策をとっており、今回の協業で、Entrust IdentityGuardの導入層に向けてWebSAMオフィスの拡販を図るとした。

 なおエントラストはこの協業に先立ち、NECのソフトウェアパートナー制度「WebSAM WORKS」に加入。その枠組みの中で、両社がEntrust IdentityGuard ナレッジを共同開発したとのこと。今後も、セミナーの共催などのプロモーション活動を共同して展開する予定で、Entrust IdentityGuardの既存ユーザーの2割、新規ユーザーの3割への導入を見込んでいる。



URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  エントラストジャパン株式会社
  http://japan.entrust.com/
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/products/soft/press/ja/0810/0101.html


( 石井 一志 )
2008/10/01 11:12

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.