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シマンテック、仮想環境への対応を強化したバックアップソフト新版

1つのイメージから個々のファイルも仮想マシン全体もリカバリ可能

仮想/物理の両環境を、1つのコンソールから管理できるようになった

ソリューション&プロダクトマーケティング部 リージョナルプロダクトマーケティングマネージャー、清水真理氏
 株式会社シマンテックは10月7日、バックアップ/リカバリソフトウェアの新版「Symantec Backup Exec 12.5 for Windows Servers」(以下、Backup Exec 12.5)と、「Symantec Backup Exec System Recovery 8.5」を発表した。ラインアップを拡充したほか、仮想環境への対応や、管理機能を強化している点が特徴という。

 Backup ExecとBackup Exec System Recoveryは、主にWindowsサーバー環境向けのバックアップ/リカバリソフトウェア。Backup Exec 12.5ではまず、仮想化環境への対応を強化した。具体的には、VMware向け、Hyper-V向けの両エージェントを用意し、単一のコンソールから、物理/仮想の両サーバー環境を扱えるようにしている。仮想マシンはWindows/Linuxをサポート。また、ライセンスはホストごとに用意すればよく、物理サーバー1台の中であれば、無数の仮想マシンを1つのライセンスで管理できるという。

 加えて、独自技術「Granular Recovery Technology(GRT)」により、1つのイメージバックアップから、ファイル単位や仮想マシン単位でのリカバリを可能にしている。GRTは従来、Exchange ServerやActive Directoryといったアプリケーションに利用されていた機能で、データベース全体をバックアップしても、そこからファイル単位での細かなリカバリを可能にする。今回は、これを仮想マシンに応用して、柔軟なリカバリを行えるようにした。

 一方、Windowsシステム全体をバックアップするのに用いるBackup Exec System Recovery 8.5では、物理環境から仮想システムへの変換(P2V)を強化している。まず、P2Vのスケジュールによる展開をサポートしたほか、仮想変換ウィザードの使い勝手を改善。さらに、VMware ESX 3.5、XenServer 4.x、Hyper-Vなど、最新の仮想環境に対応した。

 このほか、Backup Exec 12.5はWindows Essential Business Server(EBS)と管理コンソールを統合でき、バックアップやリストアのジョブをEBSから起動可能。また、SQL Server 2008のポイントインタイムリカバリやファイルストリーム、データベース圧縮への対応、SharePoint Server 2007におけるGRTの強化、といった改善も行われている。


ライセンス管理製品の「Backup Exec Infrastructure Manager」を新たに投入する
 ラインアップの拡充では、新たにライセンス管理製品の「Backup Exec Infrastructure Manager」を提供する。買収した旧Altirisの技術を用いており、1つの管理コンソールから、ライセンスの検出、インベントリ管理、パッチやアップグレードの配布を行うことができる。この製品について、ソリューション&プロダクトマーケティング部 リージョナルプロダクトマーケティングマネージャー、清水真理氏は「特にアップグレードの配布が目玉機能。管理者は、数十台あるバックアップサーバーをいちいちアップグレードしなくてもよくなるのは大きい。また、どのサーバーに何のライセンスが入っているのかの確認も、GUIから一括して確認できる」と述べた。

 また、日本独自の製品として、小規模企業向けの廉価版「Backup Exec System Recovery 8.5 Basic Edition」が提供される。既存製品が持っている機能のうち、増分バックアップ、ファイル・フォルダ単位のバックアップ、集中管理といった機能が省かれているものの、スケジューリングを含むP2Vや、Windows PEベースのリカバリディスク作成など、既存製品が持つ基本機能は備えているとのこと。

 価格は、Backup Exec 12.5が15万4200円(税別)、Backup Exec Infrastructure Managerが30万9200円(同)、VMware向けのエージェントが49万5200円(同)、Hyper-V向けのエージェントが38万6700円(同)。これまで同様、Oracle DatabaseやSQL Server、Active Directoryなどに向けた各種エージェントも提供される。Backup Exec System Recovery 8.5は、Server Editionが15万6000円(税別)、新ラインアップのBasic Editionが9万9000円(同)、Granular Restore Optionが14万1800円(同)、などとなっている。



URL
  株式会社シマンテック
  http://www.symantec.com/ja/jp/
  ニュースリリース
  http://www.symantec.com/ja/jp/about/news/release/article.jsp?prid=20081007_01

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( 石井 一志 )
2008/10/07 18:37

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