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GXS、B2B向け大容量ファイル転送・交換サービス「GXS MFT」


米GXS 国際営業担当上級副社長のジョセフ・キング氏
 GXS株式会社は11月5日、企業間電子商取引(B2B)ソリューションの新製品として、大容量ファイル転送・交換サービス「GXS Managed File Transfer(MFT)」を本日より提供開始すると発表した。あわせてプレス向けに事業戦略説明会を開催し、グローバルでの事業概況および日本市場の事業戦略などを説明した。

 まず、グローバルでの事業概況について米GXS 国際営業担当上級副社長のジョセフ・キング氏は、「当社は、B2Bソリューションにおいて40年の経験と実績をもっており、現在では3万社を超える顧客企業を抱え、30カ国以上で事業を展開している。特に、B2Bのマネージドサービスに関してはリーディングベンダーとしての地位を獲得しており、今後も多様な業種からの顧客ニーズに応えるために、革新を続けながら、多くのプラットフォームやソリューションを提供していきたい」と述べた。


GXS 代表取締役の田中良幸氏

GXSの日本市場戦略
 次に、日本市場向けの事業戦略について、今年8月20日付けでGXS日本法人の代表取締役に就任した田中良幸氏が、「日本での事業戦略に関しては、大きく3つのキーワードを掲げている。1つがB2B SCMの発展、2つ目がSaaSモデルによるビジネスインテグレーションの発展、最後がGXSのさらなる成長。まず、B2B SCMの発展では、グローバル市場での経験と実績をベースにした付加価値の高いサービスを提供することで、日本企業のグローバル対応を強力に支援する。次に、SaaSモデルを積極展開することにより、顧客企業の費用削減、およびサプライチェーンの効率化を実現する。そして、GXS自身がさらに成長し、B2B SCM市場をリードし続けていくことで、顧客企業のコアビジネス発展に貢献できると考えている。これらの戦略により、B2Bサプライチェーンにおけるベストパートナーを目指していく」との方針を示した。

 なお、同社では、日本市場における導入実績として、GXSのグローバル物流可視化ソリューション「GXS Trading Grid Logistics Visibility(Logistics Visibility)」がヤンマー株式会社に採用されたことを本日付けで発表。ヤンマーは、同社の補修用部品を対象とした海外現地法人での基幹オペレーションシステムと海外特約店向けシステム構築の一環として、グローバル物流ネットワークの可視化プロジェクトに「Logistics Visibility」を採用したという。


GXS MFTサービスの概念図

米GXS 製品企画担当副社長のアンドレア・ブロディー氏
 今回、新たに発表した大容量ファイル転送・交換サービス「GXS MFT」は、同社のB2Bネットワーク・プラットフォーム「Trading Grid」上のManagement Serviceソリューションの一つとして提供されるもの。高度なセキュリティと信頼性を備え、国際間での大容量ファイルやバルクファイルの転送・交換を実現する。また、インターネット技術とオープン規格をベースにしており、取引先ごとに異なるファイル転送プロトコルの運用、サポートおよびメンテナンスをアウトソースによって実現することで、導入・運用コストの削減を図ることができる。

 米GXS 製品企画担当副社長のアンドレア・ブロディー氏は、「GXS MFTは、オンデマンド型のファイル転送を実現した初のサービスであり、顧客企業からの強い要望を受けて開発した。特に、CADやCAMのデータ、各販売拠点のデータ、製品のイメージなど、大容量で非構造化型のデータ転送に適している。将来的には、このサービスによって、セキュリティ環境が整っていないFTPシステムが置き換えられていくだろう」と説明した。

 具体的な機能としては、セキュアなB2Bファイル転送、各種インターネットプロトコル対応、ビジネスコミュニティ導入機能、ファイル監視とレポート、および顧客/取引先のサポートを提供。さらに、リアルタイムの監視とトレーサビリティに対応した使いやすいWebベースのファイル転送環境を始め、いくつかの標準的なファイル転送環境を用意している。これにより導入企業は、自社の事業活動における基幹のプロジェクトに集中することができ、自社開発ソフトウェアが不要になるとともに、取引先をより迅速、容易に自社のシステムに統合できるようになる。

 同社では、日本市場において、主に大容量のデータ交換を必要とする製造業、通信業、金融業を中心に業種拡大を図っていく方針。



URL
  GXS株式会社
  http://www.gxs.com/jp/


( 唐沢 正和 )
2008/11/05 19:00

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