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クォークジャパン、複数人での編集・Web出力も可能な「Quark DPS」


米Quark 社長兼CEOのレイモンド・シアボーン氏

コンテンツの作成から管理、パブリッシング、配信までを実現
 クォークジャパン株式会社は11月12日、エンタープライズ向けソリューション「Quark Dynamic Publishing Solution(以下、Quark DPS)」を発表した。出荷開始は12月中の予定。

 同社はDTPソフト「QuarkXPress」を提供しているデスクトップパブリッシング企業。QuarkXPressは、1987年に最初のバーションをリリースし、今年の夏に最新版のQuarkXPress 8をリリースしている。

 DTPソフトの主要顧客である新聞・雑誌などのパブリッシング業界の現状について、米Quark 社長兼CEOのレイモンド・シアボーン氏は、「印刷物だけでなく、Webでの情報提供が一般化するなど、複数のメディアへの対応が求められている。私などは印刷物で情報を調べようとするが、私の子供の世代はGoogleで調べようとする。世代により利用するメディアが異なっており、さまざまな形式でパブリッシングできることが求められている。とはいえ、現実的には手作業での対応や独立した作業環境など伝統的な手法が用いられているのが現状」と指摘。

 「こうした現状に対して、われわれは主力製品であるQuarkXPressのほか、ワークフロー製品のQuark Publishing Systemやサーバー上でのレンダリングを実現するQuarkXPress Serverなどを提供している。これらを用いることで作業の自動化、グループでの作業、印刷物以外の複数メディアへのパブリッシングなどに対応できる」と紹介。こうしたパブリッシング技術を、同社ではダイナミックパブリッシングと定義している。

 今回発表されたQuark DPSは、このダイナミックパブリッシングを実現するソリューション。Quark Publishing System 8とQuarkXPress Server 8を中核に、QuarkXPressやテキスト・画像編集ソフトのQuark CopyDesk、また他社製のワープロソフト・DTPソフトなどで構成。コンテンツをXML化することで、1つのソースから印刷物やWebページ、電子コンテンツなどさまざまな形式でパブリッシュできるのが特長となっている。ページの編集はQuarkXPressのほか、Microsoft WordやInDesignも利用可能。また、Webブラウザからコンテンツの編集を行えるWeb Hub機能にも対応している。


Web Hubの利用イメージ。編集権限が与えられた箇所のテキストをWebブラウザ上で編集 QuarkXPressで編集しているユーザーに対して、変更箇所があると更新の必要があると表示 反映すると、Webブラウザ側で入力したテキストがQuarkXPress側でも表示される

 ルイ・ヴィトンでは、カタログや広告などのブランド統一を全世界規模で行うことに役立てていると紹介。出版社だけでなく企業のマーケティング部門でも有効なソリューションであるとした。

 対応システムは、Mac OS 10.4以降およびWindows XP以降。Quark Publishing System 8の価格は380万円(税別)から、QuarkXPress Server 8の価格は270万円(税別)から。同時アクセス数により価格は異なる。


クォークジャパン代表取締役の須崎弘明氏
 Quark DPSの国内発表について、クォークジャパン代表取締役の須崎弘明氏は、「(Quark Publishing SystemやQuarkXPress Serverなど)米国で発表された製品を日本市場に投入しないなど、これまでの国内の活動が不十分なことから失っていた信頼を取り戻すことを第一にチャレンジしている」と、国内市場に積極的に取り組んでいく考えを強調。「具体的には、すべての製品を日本市場に投入する。それも世界と同じタイミングで製品のリリースを実現する。もちろん、高品質の製品の提供も行う」と述べ、今回のQuark DPS投入もこの方針に沿ったものであるとした。



URL
  クォークジャパン株式会社
  http://japan.quark.com/


( 福浦 一広 )
2008/11/12 17:15

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