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米CoverityのCTO、ベン・シェルフ氏
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Coverity Software Readiness Manager for Javaの画面イメージ
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Coverity Architecture Analyzerの画面イメージ
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米Coverity 日本支社は11月17日、ソフトウェア品質を改善するためのソフトウェア「Coverity Software Readiness Manager for Java」「Coverity Architecture Analyzer」を発表した。
Software Readiness Manager for Javaは、ソフトウェアの品質を確認するための製品。CoverityのCTO、ベン・シェルフ氏は「マネージャや上級管理者は、どの時点でソフトウェアをリリースしていいのかがよく分からず、勘に頼っているのが現状だ。しかしこのソフトウェアでは、十分に提供できる品質にあるのかなど、意志決定者に適切なデータを提供できる」とその意義を説明する。
具体的には、自社の静的解析ツール「Coverity Prevent」をはじめとする異なる指標を利用。情報の相関性を見ることで、そのソフトウェアの品質を解析して、問題を抽出する。ユーザーは、定量的なインジケータからハイレベルで情報をふかん可能なほか、どこに問題があるのかをドリルダウンして詳細に見ていくこともできる。さらに、プロジェクトのどこにどれだけ手を入れると、どのくらいの効果があるか、といったことも示せるため、ROIの算出もしやすいとのこと。
一方のArchitecture Analyzerは、ソフトウェアのアーキテクチャを管理するためのソフトウェア。アーキテクチャは、「ソフトウェアのシステムがどのように実行されるべきか、という青写真」(シェルフ氏)であるが、現状、アーキテクトと現場の開発者のコミュニケーションは、ホワイトボードやWord文書などのやりとりに限られてしまっており、「このような手段では、実際に意図されたアーキテクチャ通りに開発されるかという保証がない」(同氏)状態。そこでArchitecture Analyzerではソースコード構造を可視化し、不要な依存関係の排除などを行って、アーキテクチャに反するデザインをされにくいようにするという。
また、変更を実施する前にその影響を把握する機能も備えているので、不用意な変更によるトラブル発生も阻止できるとした。加えて、コードの脆弱性をチェックする機能などにより、ソフトウェアのセキュリティ改善にも力を発揮する。これらの特徴についてシェルフ氏は「長期にわたってコードの品質を維持するのはとても困難なことがだが、この製品によってアーキテクチャを健全な状態に維持できるため、品質の確保が可能になる」と述べ、メリットを強調した。
両製品はいずれも、コードの行数に応じて課金されるライセンス体系を採用し、年間単位のサブスクリプション契約で提供される。50万行の場合、価格は、Software Readiness Manager for Javaが110万円/年、Architecture Analyzerが88万円/年。前者はJava、後者はC/C++とJavaの環境をサポートしている。
なお同社では、主力製品のPrevent、動的解析ツールの「Coverity Thread Analyzer」をすでに提供しているが、シェルフ氏は「多くの企業組織はソフトウェアの品質が不十分なため、多額の投資をする羽目になっている。すべてのステップで支援できることが重要であり、当社の新製品により、ソフトウェア開発企業を総合的に支援可能だ」と述べ、スイートとしての完成度をアピール。「ソフトウェアシステムを根元から理解し、優れた製品を初回から提供可能になるだろう」と述べた。
■ URL
米Coverity
http://www.coverity.com/index_jp.html
ニュースリリース
http://www.coverity.com/html_ja/press/press_story44_11_17_08.html
http://www.coverity.com/html_ja/press/press_story43_11_17_08.html
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