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ヴイエムウェアがアプリケーション仮想化製品を発表

次期サーバー仮想化製品も公開

 ヴイエムウェア株式会社は11月18日、国内提供を開始したアプリケーション仮想化製品「VMware ThinApp 4.0」、災害復旧対策の自動化製品「VMware vCenter Site Recovery Manager」の製品説明会を開催。説明会では、開発中の次期サーバー仮想化製品のデモも行われた。

 ThinAppは、2008年1月に買収したThinstall社の製品をベースに開発されたアプリケーション仮想化製品。Windowsアプリケーションを実行環境ごとパッケージ化することで、どのWindows環境でもアプリケーションを動作させられるのが特長。また、Internet Explorer 6とInternet Explorer 7など、同じWindows環境上で同時に実行できないアプリケーションも、ThinAppを使うことで共存させることができるのが大きなメリットとなっている。

 今回発表されたThinApp 4.0では、仮想アプリケーション間で相互にやり取りができる「Application Link」、仮想アプリケーションを遠隔地からアップデートできる「Application Sync」を新機能として用意。仮想アプリケーションの管理性能が向上している。

 同社テクニカルアライアンスマネージャーの名倉丈雄氏は、「ThinAppはプレーンなOS上にインストールしたアプリケーションをパッケージ化した製品。単一のアプリケーション実行ファイルを作成するだけで、管理用のサーバーや配信サーバーなどを使うことなく、手軽にアプリケーションの仮想化を実現できるのが特長」と、手軽に導入できるメリットを紹介。「既存のVDI(VMware Virtual Desktop Infrastructure)と直接連携するわけではないが、アプリケーションの配布を簡素化する製品として組み合わせることが可能」と、それぞれの製品の強みを生かした展開が可能と紹介した。


ThinAppはOSとアプリケーションを分離する製品 パッケージ化されたアプリケーションはさまざまな形で配布可能

 Site Recovery Manager(以下、SRM)は、新しい管理製品のブランドであるvCenterを冠して初の製品。災害復旧対策を自動化できるのが最大の特長。名倉氏は、「これまでもVMware HAやVMware DRといった製品で災害復旧対策は実現していたが、マニュアル操作で行う必要があった。SRMでは、こうした作業を自動化しているため、災害時に正しい対応ができないといったトラブルを起こさなくて済む」と利点を紹介した。

 特に物理環境でなく仮想環境で災害復旧対策を自動化できる点のメリットを強調。「物理マシンで対応しようとすると、手順が複雑化したり機種ごとに異なるなど多様化しがちだ。また、復旧テストを定期的に行うことも難しいので、いざトラブルが起こった場合に正しい手順で復旧できないこともある」と述べ、「SRMの場合、VMware Infrastructureベースの本番環境と待機環境を用意することで、災害復旧対策を自動化できる。定期的なテストも手軽に行え、待機環境のリソースは別の用途で利用するなど有効活用も可能」と、仮想環境を利用した災害復旧対策の利点を紹介した。


Site Recovery Managerの動作イメージ。VMware Infrastructureに追加する形で導入して利用する 各種テストも手軽に実行可能

 説明会では、未発表の次期VMware Infrastructureを用いた仮想マシン単位のフォールトトレランス機能のデモンストレーションも実施された。この機能を使うと、仮想マシンが動作している物理マシンに障害が発生するなどした際、別の物理マシン上で稼働しているセカンダリの仮想マシンに切り替えて、継続的に仮想マシンを利用することができる。設定もフォールトトレランス機能を適用する仮想マシンを選択してショートカットメニューからオンにするだけとシンプル。「フォールトトレランス機能を使うためには、仮想マシンのCPUが1つであること、そして共有ストレージが必須であることが条件となっている」と、利用するにはいくつかの制約はあるものの、リブートすることなく仮想マシンをそのまま使い続けられる利点を強調した。

 あわせて次期VMware Infrastructureの操作画面も紹介。これまでは3ペインのビューだけであったものを、次期版では新たにアイコンベースのショートカット画面が用意されている。目的別のアイコンをクリックすることで、使いたい機能に簡単にアクセスできる。用意されるアイコンは、VMware Infrastructureの機能により異なってくるという。なお、次期VMware Infrastructureの提供時期は未定。


フォールトトレランス機能。vfm02という仮想マシンが2つの物理マシン上で稼働しているのがわかる 次期VMware Infrastructureに用意されたホーム。目的別のアイコンによりわかりやすく表示されている 仮想マシンの設定画面。メモリ設定用のインジケータが横から縦に変更されている


URL
  ヴイエムウェア株式会社
  http://www.vmware.com/jp/
  ニュースリリース
  http://www.vmware.com/jp/company/news/releases/srm-ga.html
  http://www.vmware.com/jp/company/news/releases/ThinApp-4.html


( 福浦 一広 )
2008/11/18 17:39

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