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PTCジャパン、3D CADに人体モデルを配置できる「Pro/ENGINEER Manikin」


社長の井上公夫氏

Pro/ENGINEER Manikinの製品構成
 PTCジャパン株式会社は11月27日、3D CAD製品「Pro/ENGINEER」向けの拡張製品「Pro/ENGINEER Manikin」に関する説明会を開催した。

 Pro/ENGINEER Manikinは、Pro/ENGINEERで作成したモデル内に3D人体モデルを配置できる拡張製品。Pro/ENGINEERとシームレスに統合して利用できるのが最大の特長。利用者は同じ操作性で、3D人体モデルを配置することができるので、設計段階で人体と製品の相互作用をシミュレートできる。同社社長の井上公夫氏は、「Pro/ENGINEERは、重機やエンジンの設計で使われる製品というイメージだが、今回発表したPro/ENGINEER Manikin Extensionは、使い方を広げる製品。人間工学にどう影響を与えるかを評価でき、Pro/ENGINEERの使い勝手向上を高めるもの」と紹介する。

 基本セットの「Pro/ENGINEER Manikin Extension」と人間工学・ヒューマンファクターの解析機能が用意された「Pro/ENGINEER Manikin Analysis Extension」の2つのパッケージが用意されている。

 Pro/ENGINEER Manikin Extensionで用意される3D人体モデルは、アジア系(日本・中国)と欧米系(アメリカ・イタリア・オランダ)の5つの国籍の男女の人体モデルを用意。それぞれ3つの体形別に人体モデルが用意されている。そのほか、5歳と10歳のアメリカ人(性別の区別なし)もあり、計32の人体モデルを利用することができる。

 3D人体モデルはさまざまなポーズを設定でき、作成したポーズはライブラリに登録することもできる。ポーズは手足の動きといったマクロポーズと、指先などのミクロポーズの両方を設定できる。そのほか、3D人体モデルを3D CAD内の特定オブジェクトに触れるように指定したり、特定オブジェクトの動きに合わせて、3D人体モデルの動きを確認することも可能。

 視線の確認も行え、全体的な視界領域のほか、通常の視野、目の方向に応じた精密視野を確認することが可能。また、3D人体モデルから見たビュー表示への切り替えも可能なので、ユーザー目線で確認することができる。


ライブラリに登録されたさまざまなポーズ 3D CADのオブジェクトにあわせて配置することができる。届かない場合には警告メッセージがでるので、早めに設計変更できるのが利点 腕の動く範囲を視覚化して表現することも可能

視野の範囲も視覚的に表現できる 人体モデルから見たビュー表示。利用者目線で設計している製品を確認できる

 Pro/ENGINEER Manikin Analysis Extensionは、人体への負荷などを解析する機能が用意されたパッケージ。工場などの設備が作業者にどのように負荷を与えるかを評価できる。上肢作業姿勢の負担度を評価するRULA(Rapid Upper Limb Assessment)方程式、運搬の際の負荷を解析する運搬解析、持ち上げ/降ろし解析、押し/引き解析などに対応する。

 Pro/ENGINEER Manikin Extensionのライセンス価格は、62万9000円(税別)。そのほか、機能を限定した無償版「Pro/ENGINEER Manikin Lite」も提供される。



URL
  PTCジャパン株式会社
  http://www.ptc.com/


( 福浦 一広 )
2008/11/27 17:57

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