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SAPが提供するビジネスプロセス・プラットフォーム
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バイスプレジデント ビジネスプロセスプラットフォーム本部長の福田謙氏
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SAPジャパン株式会社は12月3日、企業の業務プロセスを可視化・簡素化し、継続的な改善を実現するビジネスプロセス管理ソリューションの新製品「SAP NetWeaver Business Process Management(BPM)」を、12月18日より提供開始すると発表した。また、SOAにおける国内ユーザーおよびパートナーとのエコシステムを拡張させる施策も新たに発表した。
SAP NetWeaver BPMは、業界標準のBPMN(Business Process Modeling Notation)を採用しており、ITの専門知識がなくても業務プロセスを設計することが可能。業務部門が理解できる平易な表記法により、関係者の業務プロセスの把握と意識共有を促進し、IT部門との共同プロセスが行える環境を提供する。これによって、ビジネス展開までのスピード、柔軟性、品質を改善するとともに、コスト削減などにより迅速に価値を実現することができる。
また、人が行うタスク(仕事)だけでなく、SOA基盤で利用できるサービスと連携することで、人同士、システム間、そして人とシステムのやりとりを迅速に設計・実装、実行することが可能となっている。
バイスプレジデント ビジネスプロセスプラットフォーム本部長の福田謙氏は、「今回の新製品は、従来までやや抜け落ちていた感のある人間系のファンクションをも包括した新しいBPMソリューションであり、ユーザーからも大きな期待が寄せられている。これまでのモデリングツールやシステム開発ツールとは一線を画した機能を備えており、BPMをベースにしながら、企画から実行、さらには実装まで一気通貫で実現することが可能となる。これによって、IT部門の担当者と現場の業務部門の担当者が同じイメージを共有しながら、ビジネスプロセスをリニアに構築、実装していくことが可能となり、ツールの機能を超えた価値を提供できる」としている。
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SAP NetWeaver BPMで広がるプロセス視点のサービス活用
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新製品は、統合開発環境である「SAP NetWeaver Composition Environment(CE)」のコンポーネントとして提供されるため、同様にSAP NetWeaver CEに組み込まれている「SAP NetWeaver Enterprise Service Repository(ESR)」またはサービスレジストリから、エンタープライズサービスやユーザーが定義したサービスを直接呼び出し、ビジネスプロセスに簡単にマッピングすることができる。
さらに、同社では、SAP NetWeaver BPMの提供開始と同時に「SAP NetWeaver Business Rules Management(BRM)」も提供を開始する。両製品を密に連携することにより、競合他社との差別化が必要とされる事業領域において、環境変化に対応可能な業務プロセス管理と、決裁権限など社内で規定されたルールを順守して、運用が求められる業務ルール管理を統合開発することが可能となる。また、ビジネスプロセス管理とビジネスルール管理を切り離して運用することで、日々発生する変化に対してそれぞれが異なるタイミングで対応し、お互いの影響を最小限に抑えることもできる。
SAP NetWeaver BPM/BRMともに2009年上期の出荷を予定しており、「2009年度で2けたの納入社数を目標にしている」(福田氏)という。
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SAP NetWeaver BPM、SAP NetWeaver BRMの出荷計画
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SAP NetWeaver BPMとSAP NetWeaver BRMとの連携
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SAP Community Networkの日本語サービス提供について
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エコシステムの拡張に向けた新施策としては、まず、SAPジャパンのコンサルタント、開発者、システム管理者に向けたオンラインコミュニティサイト「SAP Community Network(SCN)」の日本語化および日本人向けサービスを本日より提供開始する。さらに、ビジネスプロセス・エキスパート育成のためのトレーニングコースおよび認定制度を12月8日から開始する。
SCNは、製品の技術情報や開発ツール、eラーニング教材、評価版などが無償で提供されている「SAP Developer Network(SDN)コミュニティ」、ビジネスプロセス・エキスパートのスキル向上および教育などの情報が掲載されている「Business Process Expert(BPX)コミュニティ」、ビジネスインテリジェンスについての理解度を深めることができる「Business Objectsコミュニティ」で構成。日本では3万人以上の登録者数を有し、その数は世界で5番目になるという。
今回、それぞれのコミュニティトップページを日本語化することで、より簡単にさまざまな情報にアクセスできるようにした。またSDNでは、日本人の技術者および開発者向けにフォーラム(掲示板)を設置し、SOA、SAP NetWeaver、業界別など9つのトピックに関して双方向で議論できる場を提供する。BPXについても、ビジネスプロセス・エキスパートに関する動画や資料を随時日本語で提供していく予定。
ビジネスプロセス・エキスパート認定制度は、日本市場におけるSOA推進のため、グローバルに先行して実施するもの。ビジネスコンサルタント、アプリケーションコンサルタントや技術者などを対象に、ビジネスプロセス指向で全社規模のシステムの構造最適化を行う上級コンサルタントを育成するためのトレーニングコースを3コース提供開始する。
■ URL
SAPジャパン株式会社
http://www.sap.com/japan/
プレスリリース
http://www.sap.com/japan/about/press/press.epx?pressid=10539
http://www.sap.com/japan/about/press/press.epx?pressid=10538
( 唐沢 正和 )
2008/12/03 17:56
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