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日本CA、プロジェクトポートフォリオ管理製品の最新版

専任営業部隊も新設、日本での拡販目指す

Clarity PPM v12の画面イメージ

PPMソリューション営業部 川崎晃司部長
 日本CA株式会社は12月11日、プロジェクトポートフォリオマネジメント(PPM)ソリューションの最新版「CA Clarity Project&Portfolio Manager v12」(以下、Clarity PPM v12)を発表した。

 Clarity PPMは、日本CAが進めるEnterprise IT Management(ETIM)に必要な、「ガバナンスの実践」を実現するためのソリューション。日本CAのPPMソリューション営業部 川崎晃司部長は、PPMの市場動向を次のように説明する。「ビジネス目的を達成するために導入しているはずのITが、経営目標からずれることがないよう、ビジネスとITを結びつけて、投資効果を最大に発揮させるために利用するのがPPM。欧米を中心に、すでに全世界で3000億円の市場規模があるが、日本を含むアジア・パシフィック地域は、全体の7%程度の市場規模しかなく、市場はいまだ黎明(れいめい)期にあたる。昨今、経済環境が厳しくなっているが、投資を最大限に活用するためのソリューションとして脚光を浴びており、さらなる成長が期待できる分野だ」。

 日本CA製品は、「ある調査会社の発表によれば、14社のベンダーを分析した結果、最高の評価を得たのが当社製品。すでに900社への導入実績があり、直感的に利用できる使い勝手の良さが高い評価を受けている」(川崎部長)という。

 日本での製品拡販に向け、最新版のClarity PPM v12を発表するとともに、12月1日付けでPPM製品の専任部隊「PPMソリューション営業部」を新設。直接販売部門、間接販売部門とも連携し、既存の同社ユーザーおよび新規ユーザー向けに、アプローチを進めていく計画だ。


新設されたPPM専任部隊 日本での戦略 最新版が実現するITガバナンス

Clarity PPM v12で提供するソリューション

ITリーダーが抱える課題を解決するために、最新版ではリスクの最小化と価値の最大化を実現
 製品の主な機能は、1)ITガバナンス(IT投資管理)、2)エンタープライズ・プログラム管理ソリューション、3)プロフェッショナルサービス管理ソリューション、4)Clarity PPM v12で強化された新製品開発管理ソリューション、となる。

 J2EEで開発されたWebブラウザ対応アプリケーションで、インターネットにアクセスする環境さえあればすぐに利用することができる。カスタマイズも容易で、管理対象単位の変更や属性項目の追加、画面レイアウト変更と行った作業はユーザー自身で行える。XMLファイルを介して会計、人事など他のシステムとの連携も実現している。

 「現場からIT部門にあがってくる開発依頼に対しては、本来は経営戦略にのっとってどのプロジェクトを優先すべきか決定しなければならない。しかし実体としては、声の大きな部門長がいる部門の依頼が優先されることも多い。PPM導入によって、適切なことを適切に履行することで、IT部門の仕事をビジネスと連携させ、予算や人、IT資産の最大限の活用を実現できる」(PPMソリューション営業部 営業グループの河野昌利担当部長)。

 最新版から追加された機能は、要件のプランニングおよび追跡を簡略化、「Microsoft SharePoint」との連携による、幅広い関係者とのコラボレーションを効率化、IT部門の枠を越えたPPMの能力活用を促進、統合および自動化などの機能の大幅な改良により、ビジネス上の関係者との効率的なコラボレーションを支援、IT、プロジェクト・プランニング、リソース管理、財務会計の作業の大幅な効率化をサポート―など。

 戦略的なプランニングをプロジェクトの実行につなげるため、要件プランニング機能をPPMソリューションに統合し、現場からあがった要件を実行可能なITの成果物や製品ロードマップとして具体化し、プロジェクトのライフサイクル全般にわたって要件を追跡することができる。

 これまで要件追跡の際に、表計算ソフトのような、相互接続されていないシステムを利用していた企業や組織では、コミュニケーションが不足する傾向があるが、新製品を利用することでプロジェクト状況を共有することが可能となる。関係者間のコラボレーションの効率化と促進を図るため、現在最も広く使われているコラボレーションツールのMicrosoft SharePointと連携したことで、情報共有機能が大幅に強化された。

 導入事例としてはコカコーラがこの製品を導入し、新製品開発プロジェクトの際に大きな成果をあげている。

 対応OSは、Windows、Linux、Solaris、HP-UX、AIX。DBMSは、Oracle、SQL Server。価格は最小ライセンス単位で約1800万円からとなっている。



URL
  日本CA株式会社
  http://www.ca.com/jp/
  プレスリリース
  http://www.ca.com/jp/press/release.aspx?cid=194236


( 三浦 優子 )
2008/12/11 15:46

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