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日本オラクル、業務アプリケーションのアクセス権限を管理するソフト


Oracle AACGの概要

Oracle AACGでは、分かりやすいヒートマップ表示でユーザーに違反状況を提示可能。ここから詳細をドリルダウンすることもできる

システム事業統括本部 Fusion Middlewareビジネス推進本部 シニアディレクターの入江宏志氏
 日本オラクル株式会社は1月13日、企業のガバナンス、リスク管理、コンプライアンス(GRC)を支援するアプリケーション製品群「Oracle GRC Applications Suite」を強化すると発表した。リスクデータベースアプリケーション「Oracle GRC Manager」の早期導入を可能にする「GRCテンプレートサービス」を提供するほか、業務アプリケーションの職務分掌管理製品「Oracle Application Access Controls Governor(AACG)」を発売する。

 新製品のうちOracle AACGは、リスクコントロールを実現する「Oracle GRC Controls(GRCC)」の1コンポーネント。Oracle GRCCでは、アクセス権限、セットアップ変更、問題のある業務トランザクションの監視といった機能を、システム横断的に提供できるが、今回発表されたOracle AACGはこのうち、アクセス権限の管理を担当する。

 リスクコントロールをきちんと行うためには、特権的なアクセス権限を付与しない仕組み作りが求められるが、Oracle AACGでは、不用意なアクセス権限の付与を防ぐための機能が盛り込まれている。具体的には、アクセス権限の付与や変更をユーザーが行う際に、あらかじめ定めておいたポリシーと自動で照合し、違反がある場合にはそれを差し止めることが可能。また、アクセス権限付与のシミュレーション機能も備えているため、事前に不備を確認することもできる。

 対応する業務システムは、日本オラクルのERPだけに限らず、他ベンダー製品やユーザー独自のERPにも対応可能。ただしOracle EBSやPeopleSoft向けには、職務分掌権限設定が事前定義されたライブラリを合計700種類以上用意しており、これらの製品のユーザーは、より効率的にOracle AACGの導入が行える。

 なお同社では今後、Oracle GRCCのほかのコンポーネントも順次国内での提供を開始する予定。システム事業統括本部 Fusion Middlewareビジネス推進本部 シニアディレクターの入江宏志氏は、過去に起こった危機をもとに対処する危機管理から、将来起こりうる危機にいかに対処するかというリスクコントロール、さらに一歩進んだリスク管理といった方向へ向かっているという業界の方向性に触れた上で、その導入を支援するものとしてOracle GRCCを紹介。ツールを活用した自動統制を実装することにより、55%の対応時間、42%の外部監査人テスト負荷を削減した米企業の例を引き合いに出し、「コスト削減効果により、投資したITコストを5カ月で回収した」とその効果を説明している。

 Oracle AACGの価格は、100ユーザーで882万5000円から。

 また、今回同時に発表されたGRCテンプレートサービスは、Oracle GRC Managerの早期導入を実現するもの。これを利用すると、従来の手法では6カ月以上要していた要件定義からテストまでのフェーズを、約半分の3カ月で実施できるという。サービスには、リスク管理業務やシステムの運用・設計支援をはじめ、実機を用いたOracle GRC Managerの説明やサーバーセットアップ、ユーザー権限や会計期間などの初期設定、リスクコントロールマトリクスの移行設定などを含んでいる。



URL
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1961


( 石井 一志 )
2009/01/13 16:49

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