Enterprise Watch
最新ニュース

コンテンツの有効性検証やターゲティングが行える「Omniture Test&Target」


マーケティング&チャネルプログラム ディレクターの水嶋ディノ氏

これらの指標を基にターゲティングが行える
 オムニチュア株式会社は1月21日、オンラインビジネスにおけるコンバージョンの最大化に有効なコンテンツのテストとターゲティングが行えるSaaS型サービス「Omniture Test&Target」を発表した。同日から提供開始する。

 Omniture Test&Targetは、Webサイトやメール、ディスプレイ広告などでどのようなコンテンツがどのような顧客セグメントに効果的なのかをテストし、効率的なターゲティングを可能とするサービス。単体でも利用可能だが、「SiteCatalyst」などのWeb解析ソフトと組み合わせることで相乗効果が期待される。解析データを基に、“いかなるアクションにつなげるか”を最適化してくれるのが新製品の位置づけだ。

 マーケティング&チャネルプログラム ディレクターの水嶋ディノ氏は「優れたコンテンツ、優れたクリエイティブが何か、その本当の答えはお客さまが教えてくれるもの」と発言。「インターネットの普及やそれに伴う価値観の多様化などによりマーケターの役割には変化が起きており、従来の“マスマーケティング”から適切な人に適切なアクションを起こす“ターゲティングマーケティング”が重要になっている」と説明している。

 新製品はこの“ターゲティング”を可能にするものだが、では実際に何ができるのか。まずテストでは、パターンの異なるコンテンツのどちらが有効かを比較する「A/Bテスト」、画像・テキスト・ヘッダーなどさまざまなコンテンツを動的に入れ替えながら表示させ、どの組み合わせが最適化を検証する「多変量テスト」が行える。加えて、ユーザーの「サイト行動履歴」「時間・曜日など」「サイト閲覧環境」「参照元情報」「Web解析データなどの外部データ」などの指標を使って、効率的にターゲティングが行える。

 例えば、Webサイトのトップページで2種類のコンテンツの有効性を比較するとしよう。Omniture Test&Targetではまず、「mbox」と呼ばれるテストしたいコンテンツ領域を専用のJavaScriptを挿入することで定義する。こうすることで定義した領域内のコンテンツをマーケターが自由にコントロールして、テストやターゲティングの設定を行うことが可能になる。


テストの設定画面。A/Bテストの対象コンテンツを選択しているところ

ターゲットセグメントを指定しているところ
 実際にテストやターゲティングを行う際、具体的に設定できるのは、コンテンツの種類選択やテストしたい訪問者セグメントの指定などだ。例えば、AとBという2種類のコンテンツがあるとしたら、GUIを使って両者を選択することができる。また訪問者セグメントの指定では、初回訪問者かリピーターか、どの検索エンジンからの訪問者なのかといった条件を指定して、それに見合ったユーザーのコンバージョン率やクリック率を測定することができる。SiteCatalystなどで常時データを取得していれば、男性・女性などさらに細かい条件を指定することも可能だ。

 この結果を分析するためのレポート機能では、例えばコンテンツAは女性の中でも20代、コンテンツBは女性の中でも30代への引きが強く、それぞれのコンバージョン率がどれくらいだったかなどが確認できる。男性・女性のおけるクリック率の違いや売り上げの違いなども把握することが可能。それに従ってマーケティングを行うことでWebコンテンツのコンバージョン率を向上させることができる。

 このように「テストとターゲティングを1つの製品で行えるのが特長で、例えば、特定の訪問者セグメントに対してのみにテストを行ったり、テスト結果に基づいて実際のターゲティングを実施したりできるのがポイント。また、シンプルなGUIによってマーケター主導ですべての操作をできるのがウリ」(水嶋氏)という。

 その上で同氏は「テストとターゲティングの成功の鍵は、単独のプロジェクトではなく、業務プロセスとして実施すること。テスト・セグメンテーション・ターゲティングのサイクルを繰り返すこと、そのスピードと継続性が重要だ」とし、Omniture Test&Targetがそれに最適な製品であるとアピールした。

 価格体系は、定義したmbox領域のコンテンツが読み出される回数に応じた従量課金制。オムニチュアでは、活用支援コンサルティングなどと合わせて提供する方針。販売パートナーからも独自のコンサルティングサービスとセットで販売されるとのこと。



URL
  オムニチュア株式会社
  http://www.omniture.com/jp/
  プレスリリース
  http://www.omniture.com/press/631/

関連記事
  ・ オムニチュア、Web解析導入を支援するコンサルパッケージ(2008/08/20)
  ・ 動画の効果測定がより柔軟に、Web解析ソリューション「SiteCatalyst」の新版(2008/04/22)


( 川島 弘之 )
2009/01/21 15:19

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2009 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.