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HDEがメール関連製品をモジュール化、統合プラットフォームで利用可能に

第1弾としてアーカイブモジュール提供

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 株式会社HDEは2月10日、メール関連製品の統合プラットフォーム「HDE Mail Application Server」を発表した。その第1弾モジュールとなる完全無停止メールアーカイブソフト「HDE Mail Application Server #Archiver(以下、#Archiver)」とともに、4月20日より販売開始する。

 HDEはこれまで、「ウイルス対策」「メール電子署名・暗号化」「アーカイブ・フィルタリング」「誤送信対策」などの製品を個別に提供してきた。メールを取り巻く課題に対して全方位的に製品展開することで、「メールといえばHDEという顧客からの信頼を得た」という同社だが、一方で、「複数のHDE製品におけるシングルプラットフォームが実現できておらず、製品ごとに環境構築を行わなければならないという課題があった」(同社)という。そこで今回、製品の個別提供から、統合プラットフォームでのモジュール提供へとかじを切る方針。

 これまで提供されてきた各種のメール関連製品は順次モジュールとして新発売され、HDE Mail Application Server上に、各モジュールを乗せて運用する形となる。統合プラットフォームを採用することで、複雑なメールネットワーク設計、サービスごとに異なる運用が不要となり、モジュール追加だけで機能追加が可能となる。これによりユーザーの利便性を高める狙いだ。

 統合プラットフォーム化を行うにあたり、製品の基本部分をJava EE API化。そのAPIを利用して製品化することで、Java EEで開発された既存資産との融合を可能にした。例えば、メールと基幹システムを連携させた、よりビジネスに直結した機能の実現も可能とのこと。

 第1弾モジュールとして、従来「HDE Mail Filter」という製品で提供されていたメールアーカイブ機能を実現する「#Archiver」を提供する。以後も、2009年に「フィルタリング」と「メール配信」、2010年以降に「アンチスパム・ウイルス」「電子署名・暗号化」「誤送信防止」など、順次、従来製品のモジュール化を進めていき、いずれは完全なリプレースを行う予定という。

 #Archiverの特長は、Active-Activeの冗長化構成に対応した点。しかもアプリケーションレベルで同期を図るよう設計されており、これによりクラスタソフトなどのミドルウェアが不要になるという。クラスタソフトを使わないので、サーバー切り替え中の瞬断も発生しない、完全な24時間365日無停止環境が実現可能だ。

 また、肝心のアーカイブにかかわる部分では、まず「マルチレベルメールアナライザー」を搭載。アーカイブを行うためには、まずメールの解析が行えなければならないが、旧来の製品では、RFC違反のメールに対しては十分な処理ができなかった。それに対し同アナライザーでは、RFC違反のメールもできる限り判別して保存することが可能になるという。

 検索機能には、オープンソースの「Hyper Estraier」を採用。「namazu」などと違ってインデックス作成に大幅な時間がかかることなく、リアルタイムでのインデックス作成・検索が可能になっている。ログ機能でも詳細な機能強化を図った上で、これまでブラックボックス化されていた技術情報をSIerなどに向けて公開。導入維持を想定したマニュアル類を広く提供するとしている。


 価格は、HDE Mail Application Serverと#Archiver合わせて、1000ユーザーで245万7000円/サーバー。今回、プラットフォームとモジュール1個だけなので一括提供となるが、モジュールが増えてくれば、それぞれ必要なものだけを別々に購入することが可能になる。



URL
  株式会社HDE
  http://www.hde.co.jp/


( 川島 弘之 )
2009/02/10 11:41

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