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NECとNJC、中規模病院向けの連携ソリューションを提供

医療情報システム分野での協業を強化

NECがMegaOakIBARS II中核エンジンをNJCに提供する

NEC 医療システム事業部 事業部長の高平敏男氏

NJC 代表取締役社長の田中啓一氏
 日本電気株式会社(以下、NEC)と日本事務器株式会社(以下、NJC)は2月12日、医療機関におけるレセプト(診療報酬明細書)オンライン請求が2011年度に全面実施されることを視野に、医療情報システム分野での協業を強化すると発表した。

 両社は、医療情報システム分野における協業の第1弾として、2006年に「MegaOakシリーズ共通リソースセンター」を共同で設立し、システムの導入支援やコールセンターサービスを開始している。今回の協業強化はその第2弾となるもので、医療事務システムの開発・サービス基盤を両社が共有することにより、主に中規模病院(300~100床)をターゲットに、業務運用や既存システムの見直しを支援する。

 具体的には、NECの最新医療事務システム「MegaOakIBARS II」の中核エンジン(ソフトウェアモジュール)をNJCにライセンス提供する。NJCでは、このモジュールを中規模の医療機関に実績をもつ医療事務システム「MAPSシリーズ」に搭載し、新たに「MAPSIBARS」として同日より販売開始する。また、2010年3月をめどに、MegaOakIBARS IIおよびMAPSIBARSのユーザー向けに、オンラインサポート「IBARSonlineサポートサービス」を両社共同で提供開始する予定。

 NEC 医療システム事業部 事業部長の高平敏男氏は、「MegaOakIBARS IIは、患者の受付や入院管理、会計、レセプト発行など医療事務の基幹領域を担う機能を備え、診療報酬改定や医療制度改定などにおける30年以上の対応実績を継承している。さらにレセプトチェック業務の自動化、レセプト査定情報分析を実現する機能を搭載していることも大きな特徴で、今回、この中核エンジンをNJCに提供する。当社はこれまで、病院内の情報システム構築をメインに事業展開してきたが、この協業強化を機に、今後は病院や診療所、調剤薬局など施設間の情報連携へと事業を発展させ、さらには、医療、福祉、介護、行政が住民を中心に連携するEHRネットワークやヘルスケアネットワークへと進展させていきたい」と述べている。

 一方、NJC 代表取締役社長の田中啓一氏は、「当社では、28年前から医療事務システムの開発・販売に取り組んでおり、時代の要請とともにシステムを進化させてきた。今回のNECとの協業強化によって提供するMAPSIBARSとオンラインサポートサービスは、今後の医療機関における全体最適実現と経営基盤強化を支援するために必要不可欠のソリューションと考えており、当社のヘルスケア事業の中核に位置づけ、医療機関に向けてさらなるサービスの向上を図っていく」と意欲を見せた。


MAPSIBARSの機能概要

NJCトータルヘルスケアソリューションのラインアップ

サポートサービスパックMACHのサポートイメージ
 新たに販売開始するMAPSIBARSは、患者受付から入院管理・会計・レセプト発行まで、医療事務の基幹業務をトータルにサポートするMegaOakIBARS IIを中核エンジンに搭載しながら、中規模医療機関から評価を得ているMAPSシリーズの優れた操作性(豊富な検索機能、きめ細かいガイダンス表示など)を継承。また、慢性期医療機関向け機能として、医療から介護、療養までスムーズな連携を実現するケアミックス対応機能、および精神保健福祉法にのっとった精神科統計報告書の作成支援機能などを搭載している。このほか、外部接続インターフェイスにより、再来受付機、診察券発行機、カルテ自動検索装置など各種ソリューションとの連携も可能となっている。

 システム販売価格は、200床以上で1500万円から。リリース開始は4月を予定している。販売展開については、両社あわせて500人規模の営業・SE・サポート体制を整備し、拡販およびシステム構築・保守・運用支援を行っていく。これにより、NECではMegaOakIBARS IIとMAPSIBARSをあわせて、今後3年間で650システムの販売、シェア20%を目指す。また、NJCでは、約3700施設ある中規模病院をメインターゲットに、MAPSIBARSで今後3年間に250システムの販売を目標にしている。

 一方のIBARSonlineサポートサービスは、オンデマンドVPNによって実現するセキュアなネットワーク環境を使ったシステムサポート。両社が共同設立したMegaOakシリーズ共通リースセンターを活用して提供する。従来の医療事務システムでは、診療報酬改定や医療制度改定、薬剤マスタ変更などが発生した場合、これに対応する改定モジュールを紙媒体やメディアにコピーして各病院に持参または郵送していたが、新サポートサービスを利用することで、ネットワーク上で安全かつ迅速に改定モジュールを送ることが可能となる。



URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  日本事務器株式会社
  http://www.njc.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0902/1202.html


( 唐沢 正和 )
2009/02/12 16:54

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