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日立ソフト、部品単位で利用できるGISソフト-容易なカスタマイズも可能


GeoMation Remix

公共社会システム事業部 第3公共システム本部 本部長の森尻芳弘氏
 日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社(以下、日立ソフト)は2月16日、地理情報システム(GIS)「GeoMation Remix」を発表した。モジュール構造になっているため、必要な機能だけを選択して利用できる点が特徴。4月1日より販売を開始する。

 GeoMation Remixは、必要な機能を選択して利用可能なGISソフトウェア。同社では以前から、電力、ガス、通信といった社会インフラで利用される大規模向けのGISソフトウェア「GeoMation」を提供している。しかし、公共社会システム事業部 第3公共システム本部 本部長の森尻芳弘氏は、「もっと小規模に始められ、地図の知識がなくても簡単に使える製品が求められていた」という点を指摘。「GeoMationは高機能、高価格ないわば“高級車”だが、GeoMation Remixは、モジュール化して自由に選択し使えること、簡単にシステム構築ができることを目指して開発された」と、GeoMation Remix製品化の背景を説明した。

 そのGeoMation Remixでは、GeoMationの豊富な機能を生かして、全部で50以上のコンポーネントを用意した。ユーザーは、基本機能をベースに、作図表示、作図・属性検索、作図・編集、印刷、画面登録、ジオコーディングといったコンポーネントから必要なものを選んで、ニーズにあったシステムを構築できる。また、必要な機能のみで小さく始められるだけでなく、後から自由に機能を拡張することも可能になっている。

 さらに、テキスト形式のXMLファイルを書き換えるだけでカスタマイズを行えるため、プログラミングのスキルやノウハウが不要な点も大きなメリット。加えて、外部システムとの連携用API「RESTful API」が用意されており、連携する外部システムのURL入力と、受け渡すパラメータ設定のみで、容易に他システムとの連携を実現できるとのこと。


XMLファイルの書き換えで簡単にカスタマイズができる カスタマイズ前の画面例。ツールバーには「ファイル」「編集」といった汎用的な単語が並んでいる カスタマイズ後の画面例。ツールバーの用語が変更されているほか、アイコンもカスタマイズされている

 価格はどのモジュールを利用するかによって異なるが、最小構成の場合、1同時接続ユーザーあたり5万7750円から。プラットフォームはWindowsで、HITACHI HiRDB、Oracle Database、SQL Serverなどのデータベースソフトウェアが別途必要になる。

 なおGeoMation Remixでは、これまでのGISビジネスと比べて1つの案件が小規模になるため、日立ソフトは直販以外にパートナー経由で展開していきたい意向で、パートナー支援制度を設けた。具体的には、パートナー向けに提案・販売のさまざまなノウハウを提供するほか、製品についてのトレーニングや開発トレーニングなどを実施。不動産、自治体、金融、サービス業など幅広い業種への訴求を目指すという。

 同社では現在、GIS関連でシステム開発などの周辺サービスを含めて、年間30億円規模のビジネスを行っているが、GeoMation Remixでは、3年後をめどに3億円のパッケージ販売を目標としている。



URL
  日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社
  http://www.hitachi-sk.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.hitachi-sk.co.jp/news/news090216.html


( 石井 一志 )
2009/02/16 14:36

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