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アイログ、動的に安全在庫を決定できる生産計画ソフト「ILOG PPO 3.1」


 アイログ株式会社は2月20日、製造業向けソリューションの新版「ILOG Plant PowerOps(以下、ILOG PPO) 3.1」を発表した。アイログの国内代理店を通じて、同日より販売される。

 ILOG PPOは、主にプロセス製造業やプロセス加工工程のある製造業に向けた、生産計画・詳細スケジューリング立案支援ソフト。プロセス製造業固有の複雑な制約条件をモデル化し、現状に即した最適なプランとスケジュールの策定を可能にするという。

 新版では、最適化モデルの対象として「安全在庫」と「需要変動」を追加。需要変動から目標安全在庫に至るまで、生産計画の全体像を最適化することが可能になった。アイログは「従来、目標安全在庫の設定は、経験値に頼ったり、生産リードタイムの仮定に大きく依存するアルゴリズムを使って、工場側で行われてきた。生産計画担当者はこの目標安全在庫に基づいて計画を立てるが、その計画は当初の生産リードタイムの仮定から外れることもあり、その場合、目標在庫自体が意味を成さなくなる。このような手法では、在庫レベルが必要以上に高くなったり、在庫切れを起こす危険がある」と現状の問題点を指摘。新機能を使えば、「仮定に基づく生産計画の誤判断を防ぎ、誤って判断した安全在庫量に基づいて生産計画を策定してしまうことも未然に防げる」と有効性をアピールしている。

 また、設計部門と生産現場間のコラボレーションを改善。従来、プロセス製造業における化学反応や生化学反応のモデル化は、設計者がさまざまなシミュレーションツールを用いて行われてきた。しかしこのシミュレーション機能には限界があるため、生産上の制約条件のすべてを考慮したスケジュール作成は困難だったという。ILOG PPOでは制約条件を精密にモデル化できるのが特長だが、新版ではさらに、what-if分析、マスタデータ編集、レポート作成を行うための機能強化を行った。

 これらの機能は、インダストリアルエンジニアと生産計画担当者が利用するための共通操作インターフェイスから利用でき、両者間で同一データを扱うことが可能。また、このインターフェイスでさまざまな設備構成をシミュレーションできるため、潜在的なボトルネックを見つけ出し、現実的な生産スケジュールの分析を基に戦略的判断を下すことが可能という。このため「設計部門と生産現場の間のコラボレーションが大幅に改善される」(アイログ)としている。

 価格は、1380万円から。



URL
  アイログ株式会社
  http://www.ilog.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.ilog.co.jp/about/pressrelease/20090220.html

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( 川島 弘之 )
2009/02/20 12:23

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